欲しいものを我慢できない。買い物で大パニック!!
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欲しいものを我慢できない。買い物で大パニック!!

2026年6月1日 更新:2026年6月1日

スーパーやおもちゃ屋に行くと、欲しいものを見つけると絶対に買ってほしいと泣き叫び、買ってくれないと激しく暴れてゴロゴロしてしまったり、、、何度説得しても聞かず、周りの人に迷惑をかけているのに気にしない状態が続き、結局買ってしまわないと泣き止まないため、毎回買い物時に大パニックになるというご相談をいただくことがあります。限られたお金の中で欲しいものを全部買ってあげることはできないのに、要求が通るまで泣き続けるため、買い物に連れて行くのが怖くなり、保護者も子どもも疲れ果ててしまい、生活が大変になっているという保護者の方が、とても多くいらっしゃいます。

なぜそんなに欲しいのか、買ってもらえないことが受け入れられないのか、どうすればこの衝動を抑えられるのか分からず、このまま欲しいものばかり追い求める人間になるのではないかという不安も大きいというお気持ち、本当によく分かります。

欲しいものを我慢できない、買い物で大パニックという状況は、発達障害のお子さまに非常に多く見られる困難ですが、適切な事前準備とルール設定によって少しずつ我慢する力は育っていきますので、焦らずに段階的に進めていくことが大切です。

 

欲しいものを我慢できない理由

衝動性が強い

ADHDの特性として衝動性が強く、欲しいと思ったら考える前に欲しいと叫んでしまい、理性的に判断する前に感情が爆発してしまいます。

 

報酬系が強く反応する

新しいもの、好きなもの、楽しそうなものを見ると脳の報酬系が強く反応し、それが欲しいという欲求が強く湧き上がり、その欲求を抑えることができません。

 

先延ばしができない

今欲しいという感情が最優先になり、今手に入らなかったら、その後買ってもらえるかもしれないという先延ばしの概念がなく、今すぐ欲しいという気持ちが勝ります。

 

気持ちの切り替えが苦手

一度欲しいと思ったら、その気持ちから切り替えることが非常に難しく、欲しいという感情に支配されてしまい、別のことへの気分転換ができません。

 

欲求不満耐性が低い

欲しいのに手に入らないという欲求不満に対する耐性が低く、その不快感に耐えられず、すぐに泣いたり暴れたりして、その不快感を解消しようとします。

 

我慢した経験がない

今までは欲しいと泣けば買ってもらえた、要求が通った経験が多いため、泣けば買ってもらえるという学習をしてしまっており、我慢する必要性を感じていません。

 

自分の気持ちで動いている

親や周りの事情、家計の心配など、他者の視点が理解できず、自分の欲しいという気持ちだけで判断し、行動してしまいます。

 

欲求を言葉で表現できない

複雑な気持ちを言葉で説明できず、ただ欲しい、泣くという単純な方法で表現しようとし、それが行動化してしまいます。

 

家庭でできる欲求をコントロールする工夫

買い物前に約束する

買い物に行く前に、今日は買い物に行くけど新しいものは買わないよ、持ってるお金は使わないよと約束することで、絵カードや契約書を使って視覚的に示すと、心の準備ができます。

 

買い物の目的を明確にする

今日のお買い物は牛乳とパンを買うためだよ、新しいおもちゃは誕生日に買おうねと、目的を明確にすることで、目標が決まると欲しいという気持ちが軽減されます。

 

予算を決めて持たせる

自分が持てるお金の範囲内で、これだけなら買えるよと金額を決めることで、その範囲内で選ぶというルールを作ると、無限の欲求が制限されます。

 

欲しいリストを作る

買い物の時は買わずに、欲しいものをリストアップして、誕生日やクリスマスなど、決まった時期に買うというルールを作ることで、今すぐ買わなくていいことを理解できます。

 

他の子と比べない

友達が持ってるから欲しい、あの子も買ってもらったからという比較をさせないようにすることで、自分たちの家庭のルールがあるんだという理解を促します。

 

欲求が出た時の対応を統一する

欲しいと言った時に、家族全員が同じ対応をすることで、ぶれない一貫性があると、いずれ要求が通らないことを学習し、言わなくなります。

 

気持ちを受け止める

欲しいんだね、欲しい気持ちよく分かるよと感情を受け止めることで、気持ちは認めつつ、買わないというルールは守るという対応をすることで、感情と行動を分けて対応します。

 

欲しい気持ちを別の方法で満たす

買うのではなく、カタログを見せる、写真を撮っておく、図書館で本を借りるなど、欲しいという気持ちを別の方法で満たすことで、買わなくても満足できることを経験させます。

 

買い物中に注意をそらす

買い物中にお子さまの関心をそらすことで、目当てのものは見させず、別の物や買い物自体を楽しむという方向に注意を向けることで、欲しい気持ちが湧きにくくなります。

 

ご褒美ではなく報酬制度にする

欲しいものを買うのではなく、良い行動ができたらポイントを貯めて、貯まったら好きなことをしるという報酬制度にすることで、物以外の喜びを経験させます。

 

家計について話す

年齢に応じて、お家のお金がどう使われているか、限られたお金の中でやりくりしていることを説明することで、欲しいという気持ちの前に、家計という現実が理解できるようになります。

 

欲求をコントロールしたら褒める

欲しい気持ちがあるのに、我慢できたら大いに褒めることで、欲しかったけど我慢できたね、すごいと認めることで、我慢することが良いことだと学習します。

 

新しいおもちゃより今あるおもちゃで遊ぶ

新しいおもちゃばかり欲しがるのではなく、今あるおもちゃで遊ぶ楽しさを知ることで、あるもので工夫して遊ぶ力が育ち、新しいものへの執着が減ります。

 

買うのではなく借りる経験をさせる

図書館でおもちゃを借りる、友達から借りるなど、買わずに使える経験をさせることで、物は買わなくても使える、返すことで別の物が使えるという循環を理解します。

 

無理に欲求を抑えない

完全に欲しい気持ちを抑えるのではなく、欲しいけど今は買えない、でいつかは買える、という希望を持たせることで、完全に諦めるのではなく、待つという選択肢を持たせます。

 

親の買い物をコントロールする

親自身が買い物で衝動的に物を買っていると、子どもは同じパターンを真似してしまうため、親自身が欲しいものを我慢する姿を見せることで、モデルになります。

 

パニックになったら安全な場所へ

買い物中にパニックになったら、その場から離れて落ち着ける場所に行き、無理に続けずに気持ちが落ち着くまで待つことで、無理にやらせるより、落ち着いてから続ける方が効果的です。

 

買い物の時間を決める

買い物に時間がかかり過ぎると、欲しいものを見つける可能性も増えるため、時間を決めて短時間で終わらせることで、欲求が湧く時間を減らします。

 

専門家に相談するタイミング

買い物時の暴力が激しい時

欲しいと要求して泣くだけでなく、暴力を振るう、物を壊すなど激しい行動が見られる場合は、感情コントロール支援が必要です。

 

家庭内でも衝動性が強い時

買い物だけでなく、家庭内でも衝動的な行動が多く、危険な行動が見られる場合は、ADHDの専門的な評価と支援が必要になります。

 

親子関係が壊れている時

欲求を巡って毎回衝突し、親子関係が悪くなっている場合は、教育心理士などの専門家に相談して、関わり方を学ぶことが重要です。

 

物への執着が極度である時

欲しいものへの執着が極度で、生活全般に支障が出ている場合は、強迫傾向がないか評価が必要になります。

 

欲求をコントロールする力は育つ

欲しいものを我慢できない、買い物で大パニックというお悩み、毎回の買い物が戦場になってしまい、疲れ果ててしまうお気持ち、よく分かります。

でも、知っておいていただきたいのは、欲求をコントロールする力は育つということです。今は全く我慢できなくても、一貫したルールと適切なサポートによって、少しずつ我慢する力は育っていきます。

大切なのは、買い物前に約束すること、買い物の目的を明確にすること、予算を決めること、欲しいリストを作ること、欲求が出た時の対応を統一すること、気持ちを受け止めることで、我慢できたら褒めること、家計について話すことです。そして何より、親自身がルールを守ること、一貫性を保つことです。

欲求をコントロールする力が育つと、買い物が楽しくなり、親子のストレスが減り、限られたお金の使い方が理解でき、我慢することの大切さが分かり、人生スキルが育ちます。

焦らないでください。少しずつ、欲求をコントロールする力を育てていきましょう。今日は一つ欲しいのを我慢できた、明日は家に帰ってからリストに書いた、来週は誕生日に買える日を楽しみに待てた。必ず進歩します。その可能性を信じて、今日からルール設定を始めてみましょう。

欲求をコントロールすることは、人生で最も大切なスキルの一つです。お子さまのペースを尊重しながら、温かく見守りながら、一緒に欲求をコントロールする力を育てていきましょう。

療育コンサル 中山 のぞみ
D&I株式会社取締役兼療育センター長
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