きょうだいへの意地悪が止まらない。兄弟姉妹トラブル、どう対応する?
お子さまが兄弟姉妹に対して常に意地悪をしており、おもちゃを取る、邪魔をする、叩く、悪口を言うなど、毎日のようにトラブルが起きてしまう、、、保護者が仲裁に入ることが日常茶飯事になっているというご相談をいただくことがあります。きょうだいが親の注目を受けるのが嫌で、親の気を引くために意地悪をしたり、きょうだいができていることが自分ができないことに嫉妬して意地悪をしたり、親のきょうだいへの対応に不公平さを感じて反抗的になったりするため、兄弟姉妹関係が非常に悪くなってしまい、きょうだい間で暴力や暴言が絶えないという状況になっているという保護者の方もとても多くいらっしゃいます。
なぜそんなに意地悪をするのか、きょうだいをいじめるのか理解できず、兄弟姉妹仲良く過ごしてほしいという願いが叶わず、このままきょうだい関係が悪いままで大人になるのではないかという不安も大きいというお気持ち、よく分かります。
きょうだいへの意地悪が止まらない、兄弟姉妹トラブルが多いという状況は、発達障害のお子さまに非常に多く見られる困難ですが、適切な対応と家庭内の工夫によって少しずつ兄弟姉妹関係は改善していきますので、焦らずに進めていくことが大切です。
きょうだいへの意地悪をする理由
親の注目を引きたい
発達障害のお子さまは特に親の注目を求める傾向が強く、親の気を引くためにきょうだいに意地悪をすることで親が反応してくれるため、意地悪が注目を引く手段になってしまっています。
嫉妬と比較
きょうだいができていることが自分ができない、きょうだいが親に褒められて自分は褒められないという嫉妬心と、自分と比較される恐怖から、きょうだいへの嫌な感情が生まれ、意地悪に変わります。
親のきょうだいへの対応が不公平だと感じる
親がきょうだいに厳しく当たったり、きょうだいばかり褒めたりしているのではないかという不公平感があり、その不満がきょうだいへの意地悪に表れています。
構造化された生活が乱れる
兄弟姉妹がいることで生活のルーティンが変わったり、親の注目が分散されたりすることに不安を感じ、その不安がきょうだいへの攻撃性に転化しています。
コミュニケーション困難
言葉できょうだいと適切に関わることが難しく、気持ちを伝える方法がわからず、手が出てしまったり、意地悪をしてしまったりすることで表現しようとしています。
自己肯定感の低さ
自分の価値を感じられず、きょうだいをけなすことで相対的に自分を上に置こうとしたり、きょうだいを傷つけることで支配欲を満たそうとしています。
感情のコントロール困難
怒りや不安などの感情をうまくコントロールできず、感情が爆発する先がきょうだいになってしまい、衝動的に意地悪をしてしまいます。
過去の嫌な経験
きょうだいに何かされたこと、親がきょうだいを優遇したことなど、過去の嫌な経験がトラウマになり、きょうだいへの不信感や嫌悪感が強くなっています。
家庭でできるきょうだい関係を改善する工夫
一人一人に公平に注目する
全てのお子さまに公平に親の注目を与えることで、発達障害のお子さまだけでなく、きょうだいにも等しく関心を持ち、褒める、応援することで、公平性が感じられると意地悪が減ります。
個別の時間を作る
それぞれのお子さまとの個別の時間を作ることで、発達障害のお子さまにとって親を独占できる時間があると、親を独り占めしたいという欲求が満たされ、意地悪が減ります。
親の態度で不公平さを示さない
叱る時は公平に、褒める時も公平に、親の態度がどちらかに傾いていないか注意することで、親の公平性が感じられると、不公平感による意地悪が減ります。
きょうだいの良いところを褒める
発達障害のお子さまの前で、きょうだいの良さを認めることで、きょうだいの価値を認め、きょうだいを大切にする姿勢を見せることで、きょうだいへの見方が変わります。
意地悪をした時の対応を統一する
意地悪をした時に家族全員で同じ対応をすることで、お父さんは許したけどお母さんは叱るという不一致があると混乱するため、一貫した対応が大切です。
きょうだい間での協力を作る
親に密告したり、うまくいった時だけ褒めるのではなく、きょうだい同士で何かを一緒にやり遂げたり、協力したことを褒めることで、対立ではなく協力の経験を作ります。
きょうだいの気持ちを代弁する
きょうだいが傷つくと、お兄さんはここまで傷ついてるんだよと、お子さまに相手の気持ちを伝えることで、相手の感情が理解でき、共感する力が育ちます。
プライベート空間を確保する
それぞれのお子さまのプライベート空間を確保することで、おもちゃやものを守ることができ、きょうだいが触らないというルールがあると、意地悪の理由が一つ減ります。
ルールを視覚的に示す
きょうだい間でのルールを絵カードで示すことで、○きょうだいのおもちゃは許可を得て借りる、×勝手に触る、○困っている時は手伝う、×邪魔をするというルールが明確だと、何がいけないか分かりやすくなります。
意地悪をせず、できた時を褒める
きょうだいと仲良くできた、きょうだいのおもちゃを借りられた、きょうだいを手伝ったという時に大いに褒めることで、意地悪をしない方が親の注目が得られることを学習します。
不安な気持ちを受け止める
意地悪の背景には不安や寂しさがあることが多いため、何が不安なのか、何が嫌なのかを聞いて、その気持ちを受け止めることで、気持ちが受け止めてもらえると落ち着けるようになります。
ソーシャルストーリーで教える
きょうだいとの関わり方をストーリー形式で教えることで、きょうだいは大切な家族です、きょうだいと仲良くすることが大切ですというメッセージを伝えられます。
きょうだいの成功も一緒に喜ぶ
きょうだいが何か成功した時に、発達障害のお子さまにも一緒に喜ばせることで、きょうだいの成功が自分にとって嬉しいことなんだという経験を作ります。
親の前での意地悪以外も観察する
親が見ていない時にきょうだいと仲良くしていないか観察することで、親がいない時に実は仲良くしているなら、親の注目を引くための意地悪かもしれません。
きょうだいへの説教を長くしない
意地悪をして説教する時間が長すぎると、発達障害のお子さまの親への不満が増し、余計に意地悪が増えるため、短く分かりやすく伝え、その後は前に進むことが大切です。
自己肯定感を育てる
意地悪の根底には自己肯定感の低さがあることが多いため、普段からお子さまの良さを見つけて褒め、その子の存在そのものを受け入れることで、自己肯定感が育ちます。
きょうだいの悪口を言わない
親がきょうだいの悪口を言ったり、否定的に言及したりするのを見ると、子どもはきょうだいをけなしてもいいと思ってしまうため、親がきょうだいを尊重する態度を示すことが大切です。
時には見守る
親が常に介入するのではなく、時にはきょうだイ同士で解決する場を見守ることで、自分たちで関係を修復する経験ができ、親への依存も減ります。
長期的視点を持つ
きょうだい関係の改善は時間がかかるものなので、焦らず気長に見守ることで、今この瞬間の意地悪より、人生全体でのきょうだい関係の構築を目指します。
専門家に相談するタイミング
暴力が激しく危険な時
意地悪を超えて、きょうだいに暴力を振るい、怪我をさせるなど危険な行動が見られる場合は、早急なサポートが必要です。
きょうだいが不登校になっている時
発達障害のお子さまからの意地悪が原因で、きょうだいが学校に行きたくなくなるなど、きょうだいの生活に支障が出ている場合は、専門家の介入が必要です。
親自身が対応に困っている時
毎日の兄弟姉妹トラブルに疲れ果て、対応方法が分からず、限界だと感じている場合は、カウンセリングが有効です。
自傷行為や極度の抑うつがある時
意地悪をしたことで自分を責め、自傷行為をしたり、極度に落ち込んだりしている場合は、メンタルヘルスのサポートが必要です。
きょうだい関係は改善できる
きょうだいへの意地悪が止まらない、兄弟姉妹トラブルが多いというお悩み、毎日のトラブルに疲れ果ててしまうお気持ちよく分かります。
でも、知っておいていただきたいのは、きょうだい関係は改善できるということです。今は意地悪が多くても、適切な対応と環境の工夫によって、少しずつきょうだイ関係は改善していきます。
大切なのは、一人一人に公平に注目すること、個別の時間を作ること、親の態度を公平にすることで、意地悪をしない時を褒めることです。そして何より、不安な気持ちを受け止めることで、長期的視点を持つことです。
きょうだい関係が改善されると、兄弟姉妹が支え合うようになり、家族としての絆が深まり、人生全体で一番長く付き合う関係が良好になります。
焦らないでください。少しずつ、きょうだい関係を改善していきましょう。今日は意地悪をしなかった、明日は一緒に遊べた、来週はきょうだいを手伝った。必ず進歩します。その可能性を信じて、今日から工夫を始めてみましょう。
きょうだい関係は人生の基礎です。親が公平に向き合い、温かく見守ることで、兄弟姉妹との良好な関係を育てていきましょう。