指しゃぶりがいつまでも続く。発達段階に応じた対応、どうする?
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指しゃぶりがいつまでも続く。発達段階に応じた対応、どうする?

2026年7月9日 更新:2026年7月9日

5歳を過ぎてもお子さまが指しゃぶりをやめず、寝る時、退屈な時、不安な時など様々な場面で指をしゃぶり続けており、周りの子はみんなやめているのに我が子だけ続けているため、心配になるというご相談をいただくことがあります。他の保護者から指しゃぶりをしている姿を見られて心配される、園でも指しゃぶりをしているため何か問題があるのかと先生に聞かれて、本当に不安になっているという状況が続いているという保護者の方が、とても多くいらっしゃいます。

なぜいつまでも指しゃぶりをしているのか、発達が遅れているのか、いつまでやめずにいるのか、小学校に入る前にやめさせなければいけないのかという不安も大きいというお気持ち、本当によく分かります。

指しゃぶりがいつまでも続くという状況は、発達障害のお子さまに非常に多く見られる行動ですが、適切な対応と代替方法の提供によって少しずつ改善していきますので、焦らずに進めていくことが大切です。

指しゃぶりが続く理由

口腔欲求の未充足

乳幼児期の口腔欲求が満たされていない、未発達のままであり、その欲求を満たす手段として指しゃぶりを続けており、欲求が満たされるまで継続します。

ストレスや不安の軽減

指しゃぶりをすることでストレスや不安が軽減される、落ち着くという感覚があるため、不安な時に特に指しゃぶりが増え、自己調整の手段として使用しています。

感覚探索行動

指を吸う感覚が心地よく、感覚を探索する行動として指しゃぶりをしており、指の感覚、吸った時の感覚、口の中の感覚などが刺激になり、その刺激を求めています。

退屈のまぎらわし

退屈な時に指しゃぶりをすることで退屈を紛らわせ、手持ちぶたさを解消する手段として使用しており、退屈と指しゃぶりが結びついています。

習慣化

何度も繰り返すことで指しゃぶりが習慣化し、意識せずに自動的に指をしゃぶるようになり、やめようと思ってもやめられないという悪循環に陥っています。

注目を引きたい

指しゃぶりをしていると保護者が注意をしてくれるため、注目を引く手段として指しゃぶりをしており、たとえ否定的な注目でも注目されることが目的になっています。

感覚統合の未熟さ

感覚統合が未熟で、感覚刺激をうまく処理できず、多くの情報を受け取りすぎた時に指しゃぶりをすることで感覚を整理しようとしています。

欲求不満の現れ

何か欲求が満たされていない、何か心理的なニーズがある、その不満を指しゃぶりで発散させており、深層的なストレスが指しゃぶりとなって表れています。

家庭でできる指しゃぶりへの対応

ストレスの原因を探る

指しゃぶりが増えるタイミングをよく観察し、どんな時に増えるのか、パターンを把握することで、ストレスの原因が分かると対応しやすくなります。

指しゃぶりの代替行動を提供する

指しゃぶりの代わりにできることを教えることで、ガムを噛む、グミを食べる、スプーンを吸わせるなど、口腔欲求を満たす別の方法を提供します。

口腔刺激を意図的に与える

指しゃぶりの欲求が口の中への刺激だと分かったら、シュガーレスガム、昆布のような噛み物、飲むゼリーなど、安全な口腔刺激を与えます。

手を忙しくさせる

指しゃぶりする習慣を断ち切るために、いつも手を何かで忙しくさせることで、ハンドスピナー、スクイーズボール、粘土など、手を占有する道具を用意します。

指しゃぶりをしている時を見守る

指しゃぶりをしていると見つけたら注意する、やめさせるのではなく、なぜ指しゃぶりをしているのか観察して、その原因に対応することが大切です。

指しゃぶりをしない時を褒める

指しゃぶりをせずに過ごせた時間を褒めることで、指しゃぶりをしないことが良いことだと学習します。

感覚活動を増やす

指しゃぶりの感覚的な欲求を他の感覚活動で満たすことで、トランポリン、ブランコ、体を動かす活動など、感覚を満たす活動を増やします。

ストレス軽減の方法を教える

指しゃぶりはストレスを軽減する手段だと分かったら、深呼吸、瞑想、リラックス音楽など、より健全なストレス軽減方法を教え、練習します。

不安な状況を減らす

指しゃぶりが不安の現れだったら、その不安になる場面を少しずつ減らす、不安への対処方法を教えるなど、環境を調整します。

親自身が指しゃぶりをしていないか確認する

親が指しゃぶりのような癖があると、子どもが真似してしまう可能性があるため、親自身のメンタルケアと健全な習慣が大切です。

指しゃぶりをしてもいい時間を作る

完全に禁止するのではなく、寝る時だけはいいよという許容を作ることで、全く許されないというストレスが減ります。

指しゃぶりに対して否定的にならない

指しゃぶりをしているからとて叱ったり、恥ずかしいと感じさせたりするのではなく、ストレスの現れとして受け入れることで、お子さまが指しゃぶりを隠そうとしなくなります。

ソーシャルストーリーで教える

指しゃぶりについてストーリー形式で教えることで、指しゃぶりは小さい時の行動です、だんだんやめていきますというメッセージを伝えられます。

リラックスタイムを作る

指しゃぶりはストレスの現れなので、リラックスする時間を作ることで、瞑想、好きな音楽を聞く、アロマテラピー、親とのスキンシップなど、リラックス方法を取り入れます。

就寝前の指しゃぶりを認める

寝る時の指しゃぶりは、リラックス効果があり、睡眠を促すポジティブな役割があるため、その場面での指しゃぶりは許容する柔軟性も大切です。

子どもの話を聞く

指しゃぶりをしている時に、何が不安なのか、何がストレスなのか、子どもの話をじっくり聞き、心の声に耳を傾けることで、本当のストレス源が分かります。

発達段階を理解する

指しゃぶりは発達障害のお子さまにはよくある行動で、発達段階に応じて自然になくなっていくということを理解し、焦らない姿勢が大切です。

身体接触を増やす

指しゃぶりは口への刺激の欲求だけでなく、甘えたい、安心したいという気持ちの現れかもしれないため、ハグ、手をつなぐなど、スキンシップを増やします。

指しゃぶりの指を気にしない

指しゃぶりをしている指が変形したり、周りが赤くなったりしていないか定期的に確認することで、問題がなければ気にしすぎないことも大切です。

長期的視点を持つ

指しゃぶりの改善には時間がかかるので、焦らず気長に見守ることで、今この瞬間で完全になくなることはないとしても、小学校入学までには自然となくなることが多いです。

専門家に相談するタイミング

指が傷ついている時

指しゃぶりが激しく、指の周りが赤くなっている、傷ついている、感染している可能性がある場合は、皮膚科の診察が必要です。

小学校入学時にも継続している時

小学校に入ってからも指しゃぶりが続いており、学校生活に支障が出ている場合は、心理的なサポートが必要です。

ストレスの原因が不明な時

指しゃぶりが明らかにストレスの現れだが、その原因が分からない場合は、心理士に相談して、ストレス源を特定し、対応することが大切です。

他の自傷行為がある時

指しゃぶりだけでなく、爪を噛む、毛を抜く、頭を叩くなど、他の自傷行為も見られる場合は、総合的な心理的サポートが必要です。

指しゃぶりは自然となくなる

指しゃぶりがいつまでも続くというお悩み、周りの子がやめているのに我が子だけ続けているのを見ると、心配になってしまうお気持ち、よく分かります。

でも、知っておいていただきたいのは、指しゃぶりは自然となくなることが多いということです。今は指しゃぶりをしていても、発達段階の進展とストレス軽減によって、少しずつ減っていきます。

大切なのは、指しゃぶりを叱らないこと、ストレスの原因を探ることで、代替行動を提供することです。そして何より、指しゃぶりは発達的に自然な行動だということを理解し、焦らないことです。

指しゃぶりが改善されると、指の衛生が良くなり、見た目が気にならなくなり、本人の自信が戻り、学校生活がスムーズになります。

焦らないでください。少しずつ、指しゃぶりを減らしていきましょう。今日は短い時間だけしゃぶらずにいられた、明日は違う方法でストレスを軽減できた、来週は指を見られるようになった。必ず進歩します。その可能性を信じて、今日からストレス軽減と代替行動の提供を始めてみましょう。

指しゃぶりはストレスのサインです。指しゃぶりをやめさせることより、その背景にあるストレスに向き合うことが最も大切です。お子さまのストレスに寄り添い、温かく見守りながら、一緒に指しゃぶりを改善していきましょう。

療育コンサル 中山 のぞみ
D&I株式会社取締役兼療育センター長
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