ちょっとのミスで激怒。完璧主義が強い子、どう対応する?
字を一文字間違えたり、絵を少し失敗したり、ゲームで負けそうになったりするたびに、お子さまが激怒して泣き叫び、その物を破いたり投げたりして、何度もやり直さないと気が済まず完璧でないと許せないという姿勢が強いため、毎日がストレスになっているというご相談を、をいただくことがあります。学校でも少しの間違いを許せず、失敗するのが怖いあまり、新しいことに挑戦できず、いつも同じことばかりやり、テストで一問間違えたというだけで泣いて学校に行きたくないと言うため、学校生活が困難になっているという保護者の方が、とても多くいらっしゃいます。
なぜそこまで完璧を求めるのか理解できず、少しのミスくらい誰にでもあるのに、そこまで落ち込む必要があるのか、このまま完璧主義が続いたら人生が苦しいのではないかという不安も大きいというお気持ち、本当によく分かります。
ちょっとのミスで激怒、完璧主義が強いという状況は、発達障害のお子さまに非常に多く見られる特性ですが、適切な対応と価値観の転換によって少しずつ柔軟性が育っていきますので、焦らずに進めていくことが大切です。
完璧主義が強い理由
失敗への恐怖
失敗することが自分を全否定されたような気持ちになり、失敗=ダメな人間という認識があるため、失敗することが極度に怖く、完璧でいることで自分を守ろうとしています。
自己評価が低い
自己評価が低く、できていることより、できていないことに目を向けてしまい、完璧にできていないと自分に価値がないと思い込んでしまいます。
融通性の欠如
物事の複数の見方ができず、正解か不正解か、完璧か不完全かという二極思考になってしまい、その中間がないため、完璧でなければ許せません。
他者と比較する
自分と他の子を常に比較しており、他の子の方が上手、自分は劣っているという思い込みがあり、他の子に追いつく必要があると感じて、完璧を求めます。
親の期待が高い
親が高い期待を持っていることを感じ取り、親を失望させてはいけない、完璧でいなければ親に愛されないという思い込みがあります。
感覚的に未完成が気になる
完成していない状態、間違っている状態が感覚的に気になり、不快で、完成させないと気が済まない、間違いを直さないと許せないという強いこだわりがあります。
過去の叱られた経験
失敗した時に厳しく叱られた、完璧でない時に否定された経験があり、失敗=叱られるという学習をしてしまい、失敗を避けようとします。
完璧であることが褒められた経験
小さい頃から完璧にできることばかり褒められ、完璧が当たり前だと思い込み、完璧でないと認めてもらえないという信念が形成されています。
家庭でできる完璧主義への対応
失敗を成長の機会だと教える
失敗することは誰にでもあること、失敗から学べることがあることを教え、失敗は悪いことではなく、学ぶチャンスだと価値観を転換させることで、失敗への見方が変わります。
ミスを見つけたら褒める
テストで一問間違えたことより、他は全部合っていたこと、新しい問題に挑戦したことを褒めることで、完璧さより、挑戦したこと、頑張ったことを認めることで、価値観が変わります。
親自身の失敗を見せる
親が失敗する姿を見せ、失敗しても大丈夫だと示すことで、完璧でなくても愛されている親の姿を見せることで、失敗は許容できるものだと学びます。
完璧さより努力を褒める
結果がどうであれ、頑張ったこと、挑戦したこと、努力したことを褒めることで、結果主義ではなく、過程を大切にする価値観が育ちます。
失敗してもいい環境を作る
失敗しても責められない、失敗は誰にでもあるという環境を作ることで、安心して失敗できる場があると、失敗への不安が軽減されます。
目標を小さく分割する
大きな目標を完璧に達成することより、小さな目標をいくつか達成することに焦点を当てることで、それぞれの小さな成功が積み重なることを経験させます。
できないことを受け入れる練習
全部できなくても大丈夫、完璧でなくても大丈夫という経験を作ることで、敢えて完璧でない作品を作る、間違える可能性のあるゲームをするなど、失敗を実験的に経験させます。
得意なことと苦手なことを分ける
すべてが完璧である必要はなく、得意なことはあるが苦手なこともあるという個人差を理解させることで、全部完璧でなくても大丈夫という気持ちになります。
他の子と比べない
お友達はできるのに、という比較をさせないようにすることで、自分のペースで成長すればいいという気持ちが育ちます。
不完全さを許容する絵本を読む
不完全なキャラクターが活躍する絵本や、失敗から学ぶストーリーの本を読むことで、不完全さも良さだというメッセージを伝えられます。
ソーシャルストーリーで教える
失敗することについてストーリー形式で教えることで、誰もが失敗します、失敗から学べます、失敗してもダメな人ではありませんというメッセージを伝えられます。
失敗した後のプロセスを教える
失敗したらどうするか、具体的なプロセスを教えることで、失敗→原因を考える→改善する→再チャレンジという流れを経験させることで、失敗は終わりではなく次への一歩だと理解します。
親のメンタルを健康に保つ
親がお子さまの完璧主義に付き合いすぎると、親自身も疲れるため、親が適度に力を抜く、失敗を許容する姿を見せることで、子どもにもいい影響を与えます。
できたことを記録する
毎日できたこと、頑張ったことを記録することで、完璧ではなくても、毎日いろいろなことができていることに気づき、自信が育ちます。
友達との比較をやめさせる
他の子と比べることをやめ、昨日の自分と比べることを教えることで、成長の実感が湧き、他者との比較による不安が減ります。
ご褒美を失敗の回数にする
完璧さにご褒美をあげるのではなく、失敗した回数、挑戦した回数にご褒美をあげることで、失敗も価値があるというメッセージが伝わります。
感情を受け止める
失敗して悔しい、悲しいという気持ちを否定せず、そっか、悔しいんだね、その気持ちよく分かるよと受け止めることで、感情が受け止めてもらえると少しずつ落ち着けるようになります。
無理にポジティブを強要しない
失敗を良い経験だと無理に言い聞かせるのではなく、失敗は嫌だけど、そこから学べることもあるよという現実的なメッセージで、失敗の受け入れを促します。
長期的視点を持つ
今この瞬間の完璧さより、人生全体での成長を見守り、焦らず気長に構えることで、親の余裕が子どもにも伝わり、失敗への不安が軽減されます。
専門家に相談するタイミング
失敗への激怒が激しく危険な時
失敗して激怒し、物を壊す、自傷行為をするなど、危険な行動が見られる場合は、感情コントロール支援が必要です。
学校に行きたくなくなっている時
失敗への恐怖で学校に行きたくない、不登校傾向が見られる場合は、早急なサポートが必要です。
新しいことに全く挑戦できない時
完璧主義のために新しいことに挑戦できず、経験が限定的になっている場合は、専門家のサポートが有効です。
親子関係が悪くなっている時
完璧主義を巡って親子で常に衝突し、関係が悪化している場合は、カウンセリングが必要です。
失敗を受け入れられるようになる日は必ず来る
ちょっとのミスで激怒、完璧主義が強いというお悩み、、、毎回失敗に激怒されて疲れ果ててしまうお気持ち、よく分かります。
でも、知っておいていただきたいのは、失敗を受け入れられるようになる日は必ず来るということです。今は完璧を求めていても、適切な対応と価値観の転換によって、少しずつ失敗を許容できるようになっていきます。
大切なのは、失敗を成長の機会だと教えること、完璧さより努力を褒めること、親自身の失敗を見せること、失敗してもいい環境を作ること、感情を受け止めることです。そして何より、親が焦らないこと、長期的視点を持つことです。
失敗を受け入れられるようになると、新しいことに挑戦できるようになり、学校が楽しくなり、友達との関係も良くなり、人生がもっと豊かになります。
焦らないでください。少しずつ、失敗を受け入れる力を育てていきましょう。今日は失敗しても怒らなかった、明日は失敗から学ぼうと言えた、来週は失敗しても大丈夫だと思えた。必ず進歩します。その可能性を信じて、今日から親自身の価値観も変えてみましょう。
完璧さより、挑戦する勇気が大切です。お子さまのペースを尊重しながら、温かく見守りながら、一緒に失敗を受け入れる力を育てていきましょう。