病院が怖い。診察も予防接種も拒否、、、こんなときどうすればいい?
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病院が怖い。診察も予防接種も拒否、、、こんなときどうすればいい?

2026年6月3日 更新:2026年6月3日

お子さまが病院に行くことになると激しく拒否して泣き叫び、何とか連れて行っても診察台に上がるのを嫌がったりするため必要な医療が受けられないでいるというご相談をいただくことがあります。風邪で熱が出ても病院に連れて行けず自然治癒を待つしかない、予防接種も何年も受けていない、歯医者にも行けず虫歯が進行しているという状況で、何かあった時に対応できず、保護者も子どもも不安を抱えたまま生活しているという保護者の方が、とても多くいらっしゃいます。

なぜこんなに病院が怖いのか理解できず、医者も悪い人ではないのに、このまま病院に行けなかったら必要な医療が受けられず、大事な病気を見逃すのではないかという恐怖も大きいというお気持ち、本当によく分かります。

病院が怖い、診察も予防接種も拒否という状況は、発達障害のお子さまに非常に多く見られる困難ですが、適切な事前準備と段階的な練習によって少しずつ病院への不安は軽減していきますので、焦らずに進めていくことが大切です。

 

病院が怖い理由

予測できない環境

病院という非日常的な環境で、何が起こるか予測できないため、見通しが持てず大きな不安とストレスになり、初めての診察台、知らない医者、何をされるか分からない恐怖が、強い恐怖心につながります。

 

感覚過敏

病院の音、匂い、光など感覚刺激が多く、感覚過敏があると刺激に圧倒されてパニックになってしまい、特に検査機械の音やベッドの上という非日常的な環境が、苦痛に感じられます。

 

過去の嫌な経験

採血や予防接種で痛い思いをした、医者に怖く言われたなど、過去の嫌な経験がトラウマになっており、病院=痛い、怖いという学習をしてしまっています。

 

被拘束感

診察台に寝かされる、腕を押さえられるなど、自由が奪われる被拘束感が非常に不安で、自分でコントロールできない状況が耐えられず、パニックになります。

 

痛みへの恐怖

注射は痛い、検査は痛いというイメージがあり、痛みを予測することで、痛いことが起こるのではないかという恐怖が、強く湧き上がってきます。

 

知らない人への不信感

医者や看護師という知らない人に体を触られたり調べられたりすることが、強い不安になり、信頼できる人以外に体を触られることが我慢できません。

 

コミュニケーション困難

医者の説明が理解できない、医者に自分の症状を説明できないため、何をされるのか分からないという不安が増幅され、恐怖がより強くなります。

 

医療トラウマ

過去に医療行為を無理やりされた、強く押さえつけられた、怖く怒られたなど、医療トラウマがあると、病院そのものが恐怖の対象になります。

 

家庭でできる病院への不安を軽減する工夫

事前に病院に行くことを伝える

突然連れて行くのではなく、数日前から明日は病院に行くよと伝えることで、心の準備ができ、心構えができると不安が軽減されます。

 

病院とはどんな場所かを説明する

病院は病気や怪我を治す場所だよ、医者さんは怖い人ではなく優しい人だよと、視覚的に説明することで、病院が何かを理解できると不安が減ります。

 

写真や動画で病院の風景を見せる

実際の病院の様子、診察室、医者など、写真や動画で事前に見せることで、どんな場所か分かっていると初めてではなくなり、不安が軽減されます。

 

家でごっこ遊びで練習する

保護者が医者になって、診察の練習をすることで、聴診器を当てる、体温を測るという一連の動作を楽しく体験することで、実際の診察がイメージしやすくなります。

 

医者に事前に相談する

お子さまが発達障害があり、病院が怖いことを医者に伝えておくことで、医者が配慮してくれるようになり、説明を簡潔にする、無理に進めない、時間をかけるなど、工夫してくれることがあります。

 

誠実に説明する

採血が必要な時は、ちょっと痛いけど必要だよと誠実に説明することで、嘘をつかずに事実を言うことで、信頼ができ、心の準備ができます。

 

保護者が一緒にいる

診察の時に保護者が側にいてもらうことで、保護者がそばにいれば安心でき、見知らぬ医者だけでなく、信頼できる保護者がいることで、不安が軽減されます。

 

リラックスできる環境を作る

病院に行く前に好きな音楽を聴く、好きなキャラクターの動画を見るなど、リラックスしてから行くことで、心を落ち着かせてから診察に臨むと、過度な不安を避けられます。

 

ご褒美を用意する

診察ができたらご褒美をあげることで、病院に行く動機になり、頑張った後のご褒美があると、頑張ろうという気持ちが出ます。

 

小さな病院から始める

大きな総合病院ではなく、小児科の小さなクリニックから始めることで、人が少なく、刺激が少ないため、大きな病院より不安が少なく済みます。

 

診察内容を事前に聞く

今日は何をするのか、血を取るのか、ただ話を聞くだけなのか、事前に医者に確認して、お子さまに伝えることで、見通しが持てて不安が減ります。

 

好きなもの(人形など)を持っていく

大事なぬいぐるみやおもちゃを持っていく、診察中に握っていてもいいか聞くなど、安心アイテムを持つことで、不安な時の心の支えになります。

 

診察後のご褒美を楽しみにする

診察が終わったら好きなおやつを食べる、好きな場所に行くなど、診察後の楽しみがあると、頑張れるようになり、病院=怖いから病院=頑張ったら楽しいに変わります。

 

医者の説明をゆっくり聞く

医者が説明している時は、メモを取ったり、分からないことは聞き返したり、ゆっくり聞くことで、医者と信頼関係ができ、医者が信頼できる人に見えるようになります。

 

痛くない検査から始める

血液検査や注射が必要な場合、いきなりやるのではなく、体温測定、聴診器など痛くない検査から始めることで、痛くない体験を積むことで、注射も大丈夫かもと思えるようになります。

 

医者・看護師との関係を作る

何度も同じ医者に診てもらう、医者を信頼できる人にすることで、同じ医者だと安心でき、信頼できる医者からの診察なら受け入れやすくなります。

 

成功体験を積む

病院に行けた、診察台に上がれた、医者に話かけられた、注射ができたという小さな成功を見逃さず褒めることで、病院が怖い場所ではなく、頑張れる場所に変わっていきます。

 

パニックになったら無理しない

どうしてもパニックになった時は無理に進めず、別の日に変更する、検査を後回しにするなど、柔軟に対応することで、無理にやるとより一層病院が怖い場所になってしまいます。

 

保護者自身が冷静に

保護者が不安そうにしていると伝わるため、できるだけ冷静に落ち着いた態度で臨むことで、保護者が大丈夫そうに見えると、子どもも少し安心できます。

 

専門家に相談するタイミング

医療が全く受けられない時

病院に全く行けず、必要な検査や治療が受けられない状態が続いている場合は、医学的に専門家の指導が必要です。小児科医に相談して、最低限の医療をどうやって受けるか相談します。

 

医療トラウマが強い時

過去の医療行為の強いトラウマがあり、話に出しても避けてしまう場合は、トラウマ療法が有効な場合があるため、専門家に相談が必要です。

 

予防接種が受けられない時

予防接種が必要な時期なのに全く受けられず、集団生活に支障が出ている場合は、早めに医者や心理士に相談して、対策を立てることが重要です。

 

親自身が医療不安を強く持っている時

親自身も医療への不安が強い場合、それが子どもに伝わってしまうため、親のメンタルケアも含めて相談が必要です。

 

病院への不安は軽減できる

病院が怖い、診察も予防接種も拒否というお悩み、、、必要な医療が受けられず、もし大事な病気を見逃したらどうしようという不安、よく分かります。

でも、知っておいていただきたいのは、病院への不安は軽減できるということです。今は全く受け入れられなくても、段階的な準備と練習によって、少しずつ病院に行けるようになっていきます。

大切なのは、事前に病院に行くことを伝えたり写真や動画で病院の風景を見せること、家でごっこ遊びで練習すること、成功体験を積むこと、無理しないことです。そして何より、焦らないこと、医者を味方にすることです。

病院への不安が軽減されると、必要な医療が受けられるようになり、病気や怪我の治療ができ、予防接種で病気から守られ、親も子も安心して生活できるようになります。

焦らないでください。少しずつ、病院への不安を軽減していきましょう。今日は病院の写真を見られた、明日は家でごっこ遊びをした、来週は診察に行けた。必ず進歩します。その可能性を信じて、今日から準備を始めてみましょう。

病院は怖い場所ではなく、お子さまを守ってくれる場所です。不安を受け止め温かく見守りながら、一緒に病院への不安を軽減していきましょう。

療育コンサル 中山 のぞみ
D&I株式会社取締役兼療育センター長
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