片付けゼロ。散らかし放題の部屋、どうしたら片付く?
お子さまの部屋が足の踏み場もないほど散らかっており、おもちゃを出したら出しっぱなし、服を脱いだら脱ぎっぱなし、何度片付けなさいと言っても全く片付けようとせず、保護者が片付けても数分で元通りに散らかってしまい、もう片付ける気力がなくなってしまったというご相談を、よくいただきます。遊んだおもちゃを元の場所に戻すということができず、次から次へと新しいおもちゃを出して遊び、部屋中がおもちゃだらけになってしまったり、片付けなさいと言うと癇癪を起こして暴れてしまうため、結局保護者が全部片付けることになり疲れ果てているという保護者の方が、とても多くいらっしゃいます。
小学校に上がったら自分で学用品の管理をしなければいけないのに、今のままで大丈夫なのか、なぜ片付けができないのか、物を大切にする気持ちが育たないのではないかという不安も大きいというお気持ち、本当によく分かります。
片付けゼロ、散らかし放題の部屋という状況は、発達障害のお子さまに非常に多く見られる困難ですが、適切な工夫と環境設定によって少しずつ片付けられるようになっていきますので、焦らずに段階的に進めていくことが大切です。
片付けができない理由
どこに何を片付けるか分からない
片付ける場所が決まっていない、たくさんの物がごちゃ混ぜになっているため、どこに何を片付けたらいいか分からず、片付けようと思っても何から手をつけていいか分からないため、結局何もできません。
片付けの手順が理解できない
片付けるという行為が、物を拾う、分類する、元の場所に戻すという複数の手順から成り立っていることが理解できず、何をどの順番でやればいいか分からないため、途方に暮れてしまいます。
注意が散漫
片付けている途中で他のおもちゃが目に入ると遊び始めてしまい、片付けることを忘れて新しい遊びを始めてしまうため、片付けが全く進まず、むしろさらに散らかります。
完璧主義で始められない
どこから片付けたらいいか分からない、全部片付けるのは無理だと感じてしまい、完璧にできないならやりたくないという思考になり、最初の一歩が踏み出せません。
物への執着が強い
すべての物に愛着があり、捨てることができないため、壊れたおもちゃも使わないおもちゃも全部取っておきたくて、物が増える一方で片付けることができません。
片付ける意味が理解できない
なぜ片付けなければいけないのか、散らかっていて何が悪いのかという理由が理解できておらず、片付ける必要性を感じていないため、やる気が出ません。
視覚情報の処理が苦手
散らかった部屋を見ても、何がどれだけ散らかっているのか視覚的に把握できず、散らかっているという認識自体が薄く、片付ける必要性を感じません。
運動企画が苦手
物を拾って運んで置くという一連の動作を計画して実行することが苦手で、体をどう動かせばいいか分からず、片付けという行為自体が難しいです。
家庭でできる片付けの工夫
物の量を減らす
片付けの第一歩は物を減らすことで、使っていないおもちゃは処分する、一軍と二軍に分けて二軍は一時的にしまうなど、部屋にある物の量を減らすことで、片付けるべき物が減り、片付けやすくなります。
片付ける場所を明確にする
それぞれの物の定位置を決めて、写真やイラストでラベリングすることで、ブロックはこの箱、車のおもちゃはこの棚というように視覚的に分かるようにすると、どこに片付けるか迷わずに済みます。
透明な収納ケースを使う
中身が見える透明なケースを使うことで、何がどこに入っているか一目で分かり、探す時も片付ける時も楽になり、視覚的に確認できることで安心します。
カテゴリーごとに分ける
おもちゃの種類ごとに収納場所を分けることで、ブロック、ぬいぐるみ、車、絵本というようにカテゴリー分けすることで、分類して片付けるという概念が理解しやすくなります。
低い位置に収納する
子どもの手が届く低い位置に収納スペースを作ることで、高い場所だと片付けられないため、自分で出し入れできる高さにすることで、自立を促せます。
片付けの手順を視覚化する
片付けの手順を絵カードや写真で示すことで、1番:おもちゃを集める、2番:種類ごとに分ける、3番:箱に入れる、4番:棚に戻すという流れが分かると、何をすればいいか明確になります。
一緒に片付ける
一人でやらせるのではなく、一緒に片付けることで、保護者がお手本を見せながら、ブロックはこっち、車はあっちと教えながら一緒にやることで、楽しく片付けられます。
タイマーを使う
片付けの時間を決めることで、5分だけ頑張ろう、タイマーが鳴るまで片付けようとゲーム感覚にすることで、ダラダラせずに集中して片付けられます。
音楽をかける
片付けタイムの音楽を決めることで、この曲の間だけ頑張ろう、片付けソングを歌いながら楽しく片付けることで、片付けが楽しい時間になります。
少しずつ片付ける
全部を一度に片付けようとせず、今日はブロックだけ、明日は車だけというように少しずつ片付けることで、できる範囲でOKとすることで、ハードルが下がります。
片付けゲームにする
競争や点数制にして楽しくすることで、何個片付けられるかな、お母さんと競争しよう、10個拾えたら10点というようにゲームにすることで、モチベーションが上がります。
定期的に断捨離する
定期的に使っていない物を処分する習慣をつけることで、月に一度、もう使わないおもちゃを選んで寄付したり捨てたりすることで、物が増えすぎることを防げます。
片付けたらご褒美
片付けができたらシールを貼る、カレンダーにスタンプを押すなどご褒美を設定することで、頑張った成果が見える形になり、やる気が出ます。
遊ぶ前に約束する
遊び始める前に、遊んだら片付けようねと約束することで、最初に約束しておくことで、片付けるという心の準備ができ、抵抗が減ります。
一つ出したら一つ片付ける
新しいおもちゃを出す時は、今遊んでいるものを片付けるというルールを作ることで、同時に複数のおもちゃが出ることを防ぎ、散らかる量を抑えられます。
片付けやすい収納にする
蓋のない箱、ポイっと放り込めるカゴなど、簡単に片付けられる収納にすることで、細かく仕分けする必要がない収納だと、片付けのハードルが下がります。
写真を撮って見せる
片付いた部屋の写真を撮っておいて、これがきれいな状態だよと見せることで、ビフォーアフターを比較することで、片付けるとこんなにきれいになるという達成感が得られます。
できたら大いに褒める
少しでも片付けられたら大いに褒めることで、一個でも片付けられたね、すごい、ブロック全部片付けられたね、えらいと認めることで、片付けることが良いことだと学習します。
片付ける時間を決める
毎日同じ時間に片付けるというルーティンにすることで、夕ご飯の前、寝る前など決まった時間に片付ける習慣をつけることで、自然と片付けモードに入れます。
無理強いしない
どうしてもできない日は無理強いせず、今日はお母さんが手伝うから一緒にやろう、今日は疲れたから明日頑張ろうという柔軟な対応をすることで、片付けが嫌いにならないことが大切です。
専門家に相談するタイミング
小学校で学用品の管理ができない時
小学校に入ってからも全く片付けや整理整頓ができず、学用品をなくす、ランドセルがぐちゃぐちゃ、机の中が散らかり放題という状態が続いている場合は、学校生活に支障が出るため相談が必要です。
物を捨てられず生活に支障がある時
壊れた物や使わない物を全く捨てられず、物が増え続けて生活空間が圧迫されている場合は、強迫的な傾向がある可能性もあるため専門家への相談が有効です。
注意欠如が著しい時
片付けだけでなく、忘れ物が多い、物をなくす、集中できないなど注意欠如が著しく日常生活全般に影響している場合は、ADHDの可能性があるため総合的な支援が必要です。
保護者が疲れ果てている時
毎日片付けても散らかされて、もう片付ける気力がない、限界だと感じている場合も、相談のタイミングです。専門家から具体的な環境設定の方法を学ぶことで、家庭での負担が軽減されます。
片付けの力は必ず育つ
片付けゼロ、散らかし放題の部屋というお悩み、本当によく分かります。毎日片付けても散らかされて疲れ果ててしまうお気持ち、よく分かります。
でも、知っておいていただきたいのは、片付けの力は必ず育つということです。今は全く片付けられなくても、適切な環境設定と工夫によって、少しずつ片付けられるようになっていきます。
大切なのは、物の量を減らすこと、片付ける場所を明確にすること、片付けの手順を視覚化すること、一緒に片付けること、タイマーや音楽を使うこと、片付けゲームにすること、できたら褒めること、無理強いしないことです。そして何より、完璧を求めないこと、小さな進歩を喜ぶこと、焦らないことです。
片付けができるようになると、部屋がきれいになって気持ちが良くなり、物を探す時間が減って効率的になり、物を大切にする気持ちが育ち、学校での整理整頓もできるようになり、自立に向けて大きく前進します。
焦らないでください。少しずつ、片付けの力を育てていきましょう。今日は一個片付けられた、明日はブロックを全部片付けられた、来週は自分から片付けた。必ず進歩します。その可能性を信じて、今日から環境を整えてみましょう。
片付けは習慣です。毎日少しずつ続けることで、必ず身につきます。お子さまのペースを尊重しながら、温かく見守りながら、一緒に片付けの力を育てていきましょう。