シャンプーで大絶叫!お風呂を嫌がる子をどう洗う?
お風呂に入れようとするとお子さまが激しく嫌がって逃げ回り、何とか浴室に連れて行ってもシャンプーをしようとすると大絶叫して暴れてしまう、、、髪を洗うどころではなく毎晩まるで戦場のようになり、保護者も子どもも疲れ果ててしまうというご相談を、よくいただきます。顔に水がかかることを極端に嫌がり、シャワーを見ただけで泣き出してしまい、仕方なく数日に一度しか洗えず不衛生になってしまうことや、お風呂自体は好きなのにシャンプーの時だけパニックになって、髪を洗うのに毎回30分以上格闘しているという保護者の方が、とても多くいらっしゃいます。
他の子は普通にお風呂に入って髪を洗っているのになぜ我が子だけこんなに嫌がるのか、このまま髪が洗えないままだと不潔で心配だし、小学校のプールが始まったらどうしようという不安も大きいというお気持ち、本当によく分かります。
シャンプーで大絶叫、お風呂を嫌がるという状況は、発達障害のお子さまに非常に多く見られる困難ですが、適切な工夫と段階的なアプローチによって少しずつ慣れていきますので、焦らずに進めていくことが大切です。
お風呂・シャンプーを嫌がる理由
感覚過敏
顔に水がかかる感覚、シャンプーが頭皮に触れる感覚、お湯の温度など、様々な感覚刺激が過敏なお子さまにとって非常に不快で耐えられないものであるため、シャンプーは苦痛以外の何物でもなく、激しく拒否してしまいます。
水が目や鼻に入る恐怖
過去に水が目や鼻に入って苦しかった経験がトラウマになっており、また同じことが起こるのではないかという恐怖があるため、シャワーを見ただけで怖くて泣いてしまいます。
予測できない不安
いつ水がかかるのか、どれくらい続くのか、いつ終わるのかが予測できないことが不安で、見通しが持てないことが恐怖を増幅させ、パニックにつながります。
シャンプーの匂いや感触が苦手
シャンプーやボディソープの匂いが強すぎる、泡の感触が気持ち悪い、ぬるぬるする感じが嫌だという感覚的な嫌悪があるため、シャンプー自体に近づきたくありません。
浴室の環境が苦手
浴室のこもった空気、湿気、音の反響、狭い空間などが苦手で、浴室という環境自体がストレスになっているため、お風呂に入ること自体を嫌がります。
温度の感覚が鈍い
お湯の温度を適切に感じられず、熱すぎても冷たすぎても分からないため、保護者が適温だと思っても本人には熱すぎたり冷たすぎたりして、不快に感じています。
楽しいことの中断
遊びやテレビなど楽しいことをしている時にお風呂に入らされることが嫌で、活動の切り替えが苦手なお子さまにとって、楽しいことを中断されることは大きなストレスになります。
過去の嫌な経験
シャンプーが目に入って痛かった、石鹸で滑って転んだ、熱いお湯で火傷しそうになったなど、過去の嫌な経験がトラウマになっており、お風呂やシャンプーに対する恐怖心が強くなっています。
家庭でできるお風呂・シャンプーの工夫
シャンプーハットを使う
顔に水がかからないようにシャンプーハットやシャンプーバイザーを使うことで、水が顔にかかる恐怖が減り、安心してシャンプーできるようになることが多く、まずは道具に頼ることで成功体験を積むことが大切です。
濡れタオルで顔を保護する
シャンプーする時に濡れタオルを顔に当てて保護することで、水が直接顔にかからないため安心でき、自分で顔を保護しているという感覚が恐怖を和らげます。
上を向かせて洗う
下を向いて洗うと水が顔にかかりやすいため、美容院のように上を向かせて洗うことで、水が顔に流れにくくなり、保護者も洗いやすくなります。
シャワーではなく洗面器で流す
シャワーの水圧が怖い場合は、洗面器やコップでゆっくり優しく流すことで、少しずつ水をかけるので予測しやすく、水圧も弱いため怖くありません。
低刺激のシャンプーを使う
目に入っても痛くないベビー用シャンプーや無香料の低刺激シャンプーを使うことで、万が一目に入っても痛くないという安心感があり、匂いが苦手な場合も無香料なら受け入れやすくなります。
ドライシャンプーを活用する
毎日濡らして洗わなくても、ドライシャンプーやシートタイプのシャンプーを使うことで、どうしても洗えない日は代替手段を使い、無理に毎日洗おうとしないことで親子のストレスが減ります。
髪を短くする
髪が長いとシャンプーに時間がかかるため、短くカットすることで、洗う時間が短縮でき、すすぎも早く終わるため、お子さまの負担が大きく減ります。
事前に予告する
突然シャンプーを始めるのではなく、あと5分でお風呂に入るよ、今からシャンプーするよと事前に予告することで、心の準備ができると受け入れやすくなり、突然始められることの恐怖が減ります。
タイマーで時間を示す
シャンプーの時間をタイマーで示すことで、このタイマーが鳴るまでだよ、あと30秒だよと見せることで、いつ終わるか分かると我慢しやすくなり、見通しが持てて安心できます。
数を数える
シャンプー中に一緒に数を数えることで、10数えたら終わりだよと約束して一緒に数えることで、いつ終わるか分かりやすく、数を数えることで気が紛れます。
好きな歌を歌う
シャンプー中に好きな歌を歌うことで、この歌が終わったらおしまいだよと伝えることで、歌に集中して恐怖が和らぎ、楽しい雰囲気になります。
お風呂用おもちゃで気を紛らわす
お風呂用のおもちゃやシャボン玉で遊びながらシャンプーすることで、おもちゃに夢中になっている間にサッと洗い、楽しいことがあるとお風呂が嫌な場所ではなくなります。
少しずつ慣れさせる
いきなり全部洗おうとせず、今日は前髪だけ、明日は横だけという風に少しずつ慣れさせることで、段階的に進めることで成功体験を積み、徐々に全体を洗えるようになります。
自分で洗わせる
保護者が洗うのではなく、自分で洗わせてみることで、自分でコントロールできるという安心感があり、力加減も自分で調整できるため嫌がりにくくなることがあります。
温度を一緒に確認する
お湯の温度を一緒に確認して、熱い?ぬるい?ちょうどいい?と聞きながら調整することで、本人の感覚に合った温度にすることで不快感が減り、温度を選べるという主体性が安心につながります。
お風呂を楽しい場所にする
シャンプーだけでなくお風呂全体を楽しい場所にすることで、バスボムを使う、色が変わる入浴剤を入れる、お風呂でお絵描きできるクレヨンを使うなど、楽しい要素を増やすことでお風呂に入るモチベーションが上がります。
褒めて認める
少しでもシャンプーができたら大いに褒めることで、前髪だけでも洗えたね、頑張ったねと認めることで、自信がつき次も挑戦しようという気持ちが育ちます。
保護者が楽しそうにする
保護者が緊張したりイライラしたりしていると伝わるため、できるだけリラックスして楽しそうにお風呂に入ることで、お母さんが楽しそうだとお子さまも安心し、お風呂が楽しい時間だと思えるようになります。
ご褒美を用意する
シャンプーができたら好きなシールを貼る、お風呂上がりに好きなおやつを食べるなどご褒美を用意することで、頑張る動機になり、少しずつご褒美なしでもできるように移行していきます。
無理強いしない
どうしても嫌がる日は無理強いせず、今日は体だけ洗おう、明日頑張ろうという柔軟な対応をすることで、無理強いするとお風呂がますます嫌いになるため、できる範囲でOKという気持ちで臨むことが大切です。
専門家に相談するタイミング
何ヶ月も髪が洗えていない時
感覚過敏が強すぎて何ヶ月も髪が洗えておらず、不衛生な状態が続いている場合は、感覚統合療法などの専門的な支援が効果的です。作業療法士に相談することで、感覚過敏への対処法を学べます。
パニックが激しく危険な時
お風呂やシャンプーを巡って激しくパニックになり、自傷や他害、物を壊すなどの行動が見られる場合は、早めの相談が必要です。専門家から安全な対応方法を学ぶことが重要になります。
日常生活全般で感覚過敏が強い時
お風呂だけでなく、服の素材を嫌がる、食べ物の食感を嫌がる、音に敏感すぎるなど日常生活全般で感覚過敏が強い場合は、総合的な感覚統合の支援が必要です。
保護者が疲れ果てている時
毎晩の戦いに疲れ果て、もうお風呂に入れることができないと感じている場合も、相談のタイミングです。専門家から具体的な工夫を学び、保護者自身のケアも大切にすることが必要です。
お風呂を楽しめる日は必ず来る
シャンプーで大絶叫、お風呂を嫌がるというお悩み、本当によく分かります。毎晩戦場のようになって疲れ果ててしまうお気持ち、よく分かります。
でも、知っておいていただきたいのは、お風呂を楽しめる日は必ず来るということです。今は激しく嫌がっていても、適切な工夫と段階的なアプローチによって、少しずつ慣れていきます。
大切なのは、シャンプーハットなど道具を活用すること、低刺激のシャンプーを使うこと、事前に予告すること、タイマーで時間を示すこと、少しずつ慣れさせること、お風呂を楽しい場所にすること、褒めて認めること、無理強いしないことです。そして何より、お子さまの感覚の特性を理解すること、小さな進歩を喜ぶこと、焦らないことです。
お風呂やシャンプーができるようになると、清潔を保てるようになり、プールや海にも行けるようになり、親子の入浴時間が楽しい時間になり、お子さまの自信がつき、生活の質が上がります。
焦らないでください。少しずつ、お風呂に慣れていきましょう。今日は浴室に入れた、明日は前髪だけ洗えた、来週は全部洗えた。必ず進歩します。その可能性を信じて、今日から工夫を始めてみましょう。
お風呂は毎日のことだからこそ、無理なく楽しくできる方法を見つけることが大切です。お子さまの感覚を尊重しながら、温かく見守りながら、一緒にお風呂の時間を楽しめるように工夫していきましょう。