お箸が使えない。スプーンもまだ持てない子どもの対応方法。
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お箸が使えない。スプーンもまだ持てない子どもの対応方法。

2026年5月8日 更新:2026年5月18日

お子さまが4歳になってもスプーンがうまく使えず、食べ物をすくおうとしても手首がうまく使えないため食べ物がこぼれてしまい、お箸に至っては全く使えないので、結局手づかみで食べてしまい、食事の度にテーブルも床も食べ物だらけになって片付けが大変だというご相談をよくいただきます。スプーンを持たせても握り方が変で、鉛筆持ちではなく握りこぶしで持ってしまうため、口に運ぶ時にひっくり返してしまい、フォークも同じで刺すことはできても口に運ぶまでに落としてしまうという保護者の方が、とても多くいらっしゃいます。

幼稚園では他の子はみんなお箸を使って上手に食べているのに、我が子だけスプーンで手づかみ食べをしていて、小学校に入るまでにお箸が使えるようになるのか、このまま手づかみ食べが続くのかという不安も大きいというお気持ち、本当によく分かります。

お箸が使えない、スプーンもぐちゃぐちゃという状況は、発達障害のお子さまに非常に多く見られる困難ですが、適切な対応と練習によって食具を使う力は育ちますので、焦らずに段階的に進めていくことが大切です。

食具が使えない理由

手指の不器用さ

発達性協調運動障害があると、手指の細かい動きが苦手で、スプーンやお箸を上手に操作することができないため、すくう、つまむ、運ぶという一連の動作が難しくなります。

手首の動きが未熟

スプーンで食べ物をすくって口に運ぶには手首を返す動きが必要ですが、手首の動きがまだ未熟だと、すくった食べ物を口に運ぶ途中でひっくり返してしまいます。

力加減が分からない

食具を持つ力加減が分からず、強く握りすぎたり弱すぎたりするため、強く握りすぎると手が疲れてしまい、弱すぎると食具を落としてしまいます。

視覚と手の協調が弱い

目で見たものに手を合わせるという視覚と手の協調が弱いため、食べ物を見ながらスプーンで正確にすくうことができず、何度もすくい損ねてしまいます。

手づかみの方が楽

食具を使うより手づかみの方が簡単で早く食べられるため、手づかみに慣れてしまうと食具を使おうとせず、手づかみで食べることが習慣になってしまいます。

適切な食具を使っていない

お子さまの発達段階に合っていない食具を使っていると、うまく使えないため、大きすぎるスプーン、重すぎるお箸、滑りやすい柄など、合わない食具だと練習になりません。

練習の機会が少ない

こぼすから、時間がかかるからと保護者が食べさせてしまうと、練習の機会が減ってしまい、練習しないと上達しないという悪循環になります。

家庭でできる食具使用を促す方法

発達段階に合った食具を選ぶ

お子さまの発達段階に合った食具を選ぶことが最も重要で、握りやすい太い柄のスプーン、滑り止めがついたスプーン、軽くて短いお箸など、使いやすい食具から始めることで成功体験を積めます。

スプーンから始める

お箸の前に、まずスプーンをしっかり使えるようにすることで、スプーンが上手に使えるようになってから、次にフォーク、そしてお箸という順序で進めると、段階的にスキルが育ちます。

握り方を教える

正しい握り方を視覚的に示して教えることで、手を添えて一緒に持つ、鏡で見せる、写真で示すなど、目で見て分かるように教えると理解しやすくなります。

すくいやすい食べ物を選ぶ

練習の時は、すくいやすい食べ物を選ぶことで、マッシュポテト、ヨーグルト、ゼリーなど、スプーンにくっつきやすく落ちにくいものから始めると成功しやすくなります。

深い皿を使う

浅い皿よりも深い皿の方がすくいやすいため、ボウル型の器や、縁が立ち上がっている皿を使うと、食べ物が逃げずにすくいやすくなります。

滑り止めマットを使う

皿が動かないように滑り止めマットを敷くことで、皿が固定されているとすくいやすく、片手でも食べられるようになります。

一口サイズに切る

食べ物を一口サイズに切っておくことで、大きな塊だと刺したりつまんだりするのが難しいので、小さく切っておくと成功しやすくなります。

エジソン箸や補助具を使う

最初は補助具を使って練習することで、エジソン箸やリング付きお箸など、正しい持ち方をサポートする道具を使うと、お箸の使い方が身につきやすくなります。

遊びの中で練習する

食事以外の時間に、遊びの中で手指の動きを練習することで、粘土をこねる、ビーズをつまむ、洗濯バサミで遊ぶなど、楽しみながら手指の力を育てます。

少しずつ自分で食べさせる

全部を自分で食べさせるのではなく、一口だけ自分で食べる、最初の3口だけ自分で食べるなど、少しずつ自分で食べる経験を増やしていくことで、徐々に自立していきます。

できたら褒める

スプーンで一口食べられた、お箸でつまめたという小さな成功を見逃さず褒めることで、上手にできたね、すごいと認めることで、食具を使おうという意欲が育ちます。

焦らず時間をかける

食具の使用は時間がかかるスキルなので、焦らず長い目で見ることが大切で、こぼしても怒らず、時間がかかっても待つという姿勢が、お子さまの成長を支えます。

専門家に相談するタイミング

5歳を過ぎてもスプーンが使えない時

5歳を過ぎてもスプーンがうまく使えず、ほとんど手づかみ食べの場合は、手指の不器用さが強い可能性があるため、作業療法士への相談が必要です。

日常生活全般で不器用さが目立つ時

食具だけでなく、ボタンができない、ハサミが使えない、字が書けないなど、日常生活全般で不器用さが目立つ場合は、発達性協調運動障害の可能性があるため専門的な評価が必要です。

食事に時間がかかりすぎる時

食具がうまく使えないため食事に1時間以上かかり、本人も保護者も疲れ果てている場合は、サポートが必要です。

幼稚園で困難がある時

幼稚園の給食で食べられず、先生が食べさせている状態が続いている場合は、早めの支援が重要です。

療育での食具使用への支援

発達段階に合った食具の選定

療育では作業療法士や保育士がお子さまの発達段階を評価し、最適な食具を選定してくれるため、握りやすさ、重さ、長さなど、お子さまに合った食具を使うことで、効果的に練習できます。

段階的な練習

スプーンの練習を段階的に行うことで、最初は握りこぶしで持って大丈夫、次は少し指を開く、そして鉛筆持ちへと、無理なく段階を踏んで進めることで、確実にスキルが身につきます。

手指の訓練

食具を使う前に必要な手指の力を育てる訓練をすることで、粘土遊び、ビーズつまみ、洗濯バサミ遊び、ペグボードなど、楽しい活動を通して手指の力を育てます。

すくいやすい環境設定

すくいやすい皿、滑り止めマット、適切な椅子の高さなど、環境を整えることで、環境が整っていると成功しやすく、成功体験が自信につながります。

視覚と手の協調訓練

目で見たものに手を合わせる練習をすることで、ボール遊び、型はめパズル、お絵描きなど、視覚と手の協調を育てる活動を通して、食具使用の基礎を作ります。

家庭での練習方法の指導

療育では保護者に家庭での練習方法を具体的に指導することで、どんな食具を選べばいいか、どう握らせればいいか、どう練習すればいいかを、実際に見せながら教えます。

成功体験を積む

少しでもスプーンで食べられた、お箸でつまめたという成功体験を積むことで、小さな成功を見逃さず褒めることで自信がつき、食具を使おうという意欲が育ちます。

保護者への具体的な指導

療育では食具の選び方、握り方の教え方、すくいやすい食べ物、環境設定の方法など具体的な方法を専門家から学べるので、保護者が家庭で実践できることが最も重要になります。

食具を使う力は育つ

お箸が使えない、スプーンもぐちゃぐちゃというお悩み、本当によく分かります。

でも、知っておいていただきたいのは、食具を使う力は育つということです。今はうまく使えなくても、適切な食具と練習によって、確実に上達していきます。

大切なのは、発達段階に合った食具を選ぶこと、スプーンから始めること、握り方を教えること、すくいやすい食べ物を選ぶこと、遊びの中で練習すること、少しずつ自分で食べさせること、できたら褒めること、焦らず時間をかけることです。そして何より、こぼしても怒らないこと、一人で抱え込まずに専門家の力を借りることです。

食具が使えるようになると、食事が楽しくなり、こぼすことが減って片付けが楽になり、幼稚園や学校の給食も自分で食べられるようになり、自立に向けて大きく前進します。

焦らないでください。少しずつ、食具を使う力を育てていきましょう。今日はスプーンで一口食べられた、明日は3口食べられた、来月はお箸を持てた。必ず進歩します。その可能性を信じて、今から取り組み始めましょう。

療育センターエコルドで、食事スキルを育てる支援を

大阪府池田市にある療育センターエコルドは、食具使用に悩むお子さまとご家族を支援する療育施設です。

お箸が使えない、スプーンもぐちゃぐちゃというお子さまに対して、小集団療育と集団療育を組み合わせた専門的な支援を提供しています。作業療法士による専門的な訓練、発達段階に合った食具の選定、段階的な練習、手指の訓練、すくいやすい環境設定、視覚と手の協調訓練を行います。

公認心理師による専門的な支援、田中ビネー・ヴァインランドなどの発達検査で客観的に状態を把握、児童発達支援の5領域をバランスよく育てるプログラム、リハビリ専門職が開発したデジリハで楽しく訓練、作業療法士による食具使用の支援、保護者への丁寧なフィードバックと家庭での練習方法の助言によって、食事スキルを育てる総合的な支援でお子さまとご家族の生活をサポートします。

お箸が使えなくて困っている方、スプーンもぐちゃぐちゃで悩んでいる方は、ぜひ療育センターエコルドにご相談ください。

作業療法士による専門的な支援で、食具を使う力を育てる支援を、エコルドが全力でサポートします。


療育センターエコルド お問い合わせ

発達検査実施/見学随時受付/食具使用の支援/作業療法士による訓練

お気軽にお問い合わせください。食具を使う力は育ちます。お子さまの食事スキルを、一緒に育てましょう。

療育コンサル 中山 のぞみ
D&I株式会社取締役兼療育センター長
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