すぐ脱走。目を離すといなくなる...
専門家ブログ

すぐ脱走。目を離すといなくなる...

2026年5月15日 更新:2026年5月18日

お子さまがちょっと目を離した隙にどこかへ行ってしまい、公園で遊んでいると思ったら見えなくなっていて、慌てて探すと道路の向こう側にいたり、スーパーで買い物をしている時も一瞬で姿が見えなくなって、店内放送で呼び出してもらったことが何度もあるというご相談もよくいただきます。家からも勝手に出て行ってしまうため、玄関に鍵をかけていても窓から出ていったり、幼稚園でも門が開いた隙に外に出てしまったりして、いつか大きな事故に遭うのではないかと心配で目が離せないという保護者の方が、とても多くいらっしゃいます。

迷子になったことが何度もあり、警察に保護されたこともあって、なぜ勝手にどこかへ行ってしまうのか、危険だということが分からないのか、このまま目を離せない生活が続くのかという不安と疲労で限界だというお気持ち、本当によく分かります。

すぐ脱走、目を離すといなくなるという状況は、発達障害のお子さまに非常に多く見られる困難ですが、適切な対応と支援によって安全に過ごす力は育ちますので、焦らずに段階的に進めていくことが大切です。

すぐ脱走する理由

好奇心が強い

興味のあるものを見つけると、そちらに引き寄せられてしまうため、犬がいる、車が走っている、光っているものがあるなど、気になるものがあると保護者のことを忘れて追いかけてしまいます。

危険認識が弱い

道路に飛び出したら危ない、知らない場所に行ったら迷子になるという危険が予測できないため、危険だという認識がなく、行きたいと思ったら行ってしまいます。

衝動性の強さ

ADHDの特性として衝動性が強く、行きたいと思ったら考える前に体が動いてしまうため、保護者に言ってから行くということができず、衝動的に動いてしまいます。

保護者の存在を忘れる

興味のあるものに集中すると、保護者の存在を完全に忘れてしまうため、一緒にいたことすら忘れて、一人でどこかへ行ってしまいます。

そばにいる理由が理解できない

なぜ保護者のそばにいなければいけないのか、理由が理解できていないため、離れてはいけないというルールが分からず、自由に動いてしまいます。

見通しが持てない不安

どこに行くのか、いつ帰るのかという見通しが持てないため、不安になって勝手に帰ろうとしたり、別の場所に行こうとしたりすることがあります。

刺激を求めている

じっとしていることが苦手で、常に刺激を求めており、新しい場所や動くものなど、刺激があるところに引き寄せられていってしまいます。

家庭でできる脱走を防ぐ方法

手を繋ぐことを習慣化する

外出時は必ず手を繋ぐことを習慣にすることで、外に出る前に手を繋ぐよと毎回伝え、手を繋がないと外に出ないというルールを徹底し、手を繋げたらたくさん褒めて強化します。

ハーネスや手繋ぎグッズを使う

手を繋ぐのを嫌がる場合や振りほどいてしまう場合は、ハーネスや手繋ぎグッズを使うことで、お子さまの安全を守ることが最優先なので、周りの目を気にせず活用することが大切です。

迷子札やGPS端末を持たせる

万が一迷子になった時のために、名前と連絡先が書かれた迷子札を服やカバンにつけることで、GPS端末を持たせると居場所が分かるので、安心材料になります。

出かける前に約束する

外出前に、ママと手を繋ぐよ、勝手にどこかへ行かないよという約束を視覚的に示しながら伝えることで、絵カードや写真を使って約束を確認してから出かけると、心の準備ができます。

行き先と予定を伝える

どこに行くのか、何をするのか、いつ帰るのかを事前に伝えることで、見通しが持てると不安が減り、勝手に行動することが減る場合があります。

危険について教える

道路に飛び出したら車にひかれて痛い、知らない場所に行ったら帰れなくなるということを、絵本や動画で繰り返し教えることで、少しずつ危険認識を育てていきます。

玄関や窓に工夫をする

家から勝手に出ていかないように、玄関に子どもの手の届かない位置に鍵をつける、窓にストッパーをつける、チャイムが鳴るようにするなど、物理的に出られないようにする工夫が必要です。

目を離さない環境を作る

買い物中は必ずカートに乗せる、公園では遊具が見える場所にいるなど、目を離さずに済む環境を作ることで、失敗を減らすことが大切です。

脱走した時の対応を統一する

もし脱走してしまった場合の対応を家族で統一することで、怒鳴らずに冷静に連れ戻す、なぜ危ないか説明する、次はどうすればいいか教えるという一貫した対応をします。

そばにいられたら褒める

手を繋いでいられた、勝手に行かなかったという成功を見逃さず褒めることで、ちゃんとママのそばにいられたね、すごいと認めることで、良い行動が強化されます。

名前を呼んだら振り向く練習

名前を呼ばれたら振り向いて保護者のところに戻る練習をすることで、家で楽しく練習し、できたらご褒美をあげるなど、緊急時に呼び戻せるようにしておきます。

安全な場所で少しずつ練習

完全に監視するのではなく、安全な公園など安全な場所で、少しずつ距離を取る練習をすることで、5メートル離れてもいい、10メートル離れてもいいと、段階的に自由度を上げていきます。

専門家に相談するタイミング

何度も迷子になっている時

何度も迷子になり、警察に保護されたことがある場合は、重大な事故につながる前に早急な支援が必要です。

危険な場所に行ってしまう時

道路に飛び出す、高い場所に登る、水辺に近づくなど、命に関わる危険な場所に行ってしまう場合は、すぐに相談が必要です。

保護者が常に監視していないといけない時

一瞬も目を離せず、保護者が疲れ果てて限界を感じている場合は、サポートが必要です。

衝動性が非常に強い時

脱走だけでなく、衝動的な行動全般が多く、日常生活全体で困難がある場合は、総合的な支援が必要になります。

療育での脱走行動への支援

危険認識を育てる

療育では危険について具体的に教えることで、道路に飛び出したらどうなるか、迷子になったらどうなるかを、絵本やソーシャルストーリー、動画などで視覚的に教え、少しずつ危険認識を育てます。

ルールを視覚的に教える

保護者のそばにいるというルールを視覚的に示すことで、手を繋ぐ絵カード、そばにいる絵カードなど、目で見て分かるルールにすることで理解しやすくなります。

衝動性のコントロール

衝動性をコントロールする方法を教えることで、止まるゲーム、待つゲーム、考えてから動く練習など、遊びの中で楽しく練習し、衝動を抑える力を育てます。

名前を呼ばれたら反応する練習

療育では名前を呼ばれたら振り向いて来る練習を繰り返すことで、楽しく遊びながら練習し、できたらたくさん褒めることで、緊急時に呼び戻せる力を育てます。

ソーシャルストーリー

脱走について、ストーリー形式で教えることで、ママのそばにいます、勝手に行きません、危ないからですというストーリーで、理解を促します。

小集団での外出練習

小集団療育では実際に外出する練習ができることもあり、公園への外出、散歩など、支援者が見守る中で安全に練習でき、失敗しても優しく教え直してもらえます。

見通しを持たせる練習

スケジュール表や絵カードで見通しを持たせることで、今日はどこに行く、何をする、いつ帰るという流れが分かると不安が減り、勝手に行動することが減ります。

成功体験を積む

手を繋いでいられた、そばにいられたという成功体験を積むことで、小さな成功を見逃さず褒めることで自信がつき、良い行動が増えていきます。

保護者への具体的な指導

療育ではハーネスの使い方、迷子札の作り方、家の安全対策、約束の仕方、名前を呼ぶ練習方法など具体的な方法を専門家から学べるので、保護者が家庭で実践できることが最も重要になります。

安全に過ごす力は育つ

すぐ脱走、目を離すといなくなるというお悩み、本当によく分かります。

でも、知っておいていただきたいのは、安全に過ごす力は育つということです。今は勝手にどこかへ行ってしまっても、適切な対応と支援によって、少しずつそばにいられるようになります。

大切なのは、手を繋ぐことを習慣化すること、ハーネスやGPSを活用すること、出かける前に約束すること、危険について教えること、玄関や窓に工夫すること、目を離さない環境を作ること、そばにいられたら褒めること、名前を呼んだら振り向く練習をすることです。そして何より、お子さまの安全を最優先にすること、一人で抱え込まずに専門家の力を借りることです。

安全に過ごす力が育つと、外出が怖くなくなり、公園で遊べるようになり、買い物ができるようになり、保護者も安心して目を離せるようになります。お子さまの命を守ることができます。

焦らないでください。少しずつ、安全に過ごす力を育てていきましょう。今日は手を繋げた、明日は5分そばにいられた、来週は脱走しなかった。必ず進歩します。その可能性を信じて、今から取り組み始めましょう。

療育センターエコルドで、安全を守る力を育てる支援を

大阪府池田市にある療育センターエコルドは、脱走行動に悩むお子さまとご家族を支援する療育施設です。

すぐ脱走、目を離すといなくなるというお子さまに対して、小集団療育と集団療育を組み合わせた専門的な支援を提供しています。危険認識を育て、ルールを視覚的に教え、衝動性をコントロールする方法を学び、名前を呼ばれたら反応する練習をし、小集団で外出の練習をし、見通しを持たせる支援をします。

公認心理師による専門的な支援、田中ビネー・ヴァインランドなどの発達検査で客観的に状態を把握、児童発達支援の5領域をバランスよく育てるプログラム、リハビリ専門職が開発したデジリハで楽しく訓練、衝動性のコントロール支援、保護者への丁寧なフィードバックと家庭での安全対策の助言によって、安全に過ごす力を育てる総合的な支援でお子さまとご家族の生活をサポートします。

すぐ脱走して困っている方、目を離すといなくなる方は、ぜひ療育センターエコルドにご相談ください。

危険認識を育て、安全に過ごす力を育てる支援を、エコルドが全力でサポートします。


療育センターエコルド お問い合わせ

発達検査実施/見学随時受付/脱走行動への支援/衝動性のコントロール/

お気軽にお問い合わせください。安全に過ごす力は育ちます。お子さまの安全を、一緒に守りましょう。

療育コンサル 中山 のぞみ
D&I株式会社取締役兼療育センター長
プロフィールを見る 専門家ブログ一覧