“すぐあきらめる”子が“やってみよう”と思える関わり方
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“すぐあきらめる”子が“やってみよう”と思える関わり方

2025年8月5日 更新:2026年5月18日

こんにちは。
お子さんとの日常で、こんな場面に心当たりはありませんか?

  • パズルや積み木でうまくいかないとすぐ「もうやらない!」
  • 自転車の練習で転んだあと「もう無理」「やらない」
  • 新しいことに挑戦する前から「できない」と決めつけて避けてしまう
  • 失敗したくないから、チャレンジする前に諦めてしまう

「もうちょっと頑張ってほしいな」
「失敗しても大丈夫って思ってくれたら…」

そう願う保護者の方も多いと思います。
ですが、「あきらめが早い」ように見えるその行動の裏には、発達的な理由や心理的な背景があることもあるのです。

今回は、すぐあきらめてしまう子の気持ちに寄り添いながら、家庭でできるサポートのヒントをご紹介します。


第1章 “あきらめが早い”のはなぜ?

子どもがすぐにやめてしまったり、「できない」と言って取り組もうとしないのは、単なる“やる気の問題”ではありません。

その背景には、次のようなことが隠れていることがあります。


(1)失敗が“怖い・恥ずかしい”

→ 失敗したときに「怒られる」「笑われる」「ガッカリされる」と感じると、それが心のブレーキになります。

  • 「できなかった=自分はダメ」と結びつけてしまう
  • 人から評価されることに敏感
  • 自分に対して完璧を求めてしまう子に多く見られます

(2)自己評価が低く、「どうせできない」と思っている

→ 小さな失敗が積み重なると、「ぼくにはできない」「やってもムダ」と感じてしまうようになります。

  • 周囲と比べて自信をなくしている
  • 成功体験より、できなかった記憶が強く残っている

(3)“途中で踏んばる”力(実行機能)が弱い

→ 発達的な特性(ASD、ADHDなど)により、「途中で困ったときにどうしたらいいか」がわからなくて投げ出してしまうこともあります。

  • 作業の見通しが持てない
  • 試行錯誤が苦手
  • 感情が高ぶると行動を止められない(衝動性)

第2章 あきらめが早い子へのNG対応とは?

つい言ってしまいがちな言葉の中には、子どもの心にプレッシャーや不安を与えてしまうものもあります。

❌ NGな関わり方

  • 「なんでできないの?」
  • 「やる前からあきらめないで!」
  • 「そんなことじゃ何にもできないよ」
  • 「○○ちゃんはできてるよ?」

これらは、子どもにとって「責められた」「ダメ出しされた」と感じる言葉。
さらに自己肯定感を下げ、「やっぱりやらない方がいい」と思わせてしまうリスクがあります。


第3章 “やってみよう”の気持ちを育てる関わり方

それでは、家庭ではどんな関わりが効果的なのでしょうか?


(1)小さく分けて「できた!」を増やす

→ 一気にやらせようとせず、**“スモールステップ”**にして達成感を積み重ねます。

✅ 例:

  • 「1個だけ積めたね、すごい!」
  • 「1行だけ書いてみようか」
  • 「じゃあ最初の1分だけ一緒にやってみよう」

→ 自分のペースで成功体験を得ることで、「やってみるかも」の気持ちが芽生えます。


(2)“できた”以外のところを褒める

→ 結果だけでなく、“がんばろうとした気持ち”“試そうとした勇気”を認めることで、子どもはチャレンジする力を育てていきます。

✅ 例:

  • 「やってみようと思ったの、えらかったね」
  • 「昨日より、ちょっと長く頑張れたね」
  • 「自分でやってみようとしてたね、すごいよ」

(3)「失敗しても大丈夫」と伝える習慣を

→ 子どもにとっては、“失敗=終わり”になりがちです。だからこそ、「失敗=学び」や「やり直せる」という経験を重ねていくことが大切です。

✅ 例:

  • 「うまくいかなくても、またやればいいんだよ」
  • 「失敗したっていいよ。ママもたくさん失敗するよ」
  • 「失敗したって、大事なチャレンジだったよ」

(4)「やらされ感」より「選べる感」

→ 自分で「やってみよう」「選びたい」と思える方が意欲は高まります。

✅ 例:

  • 「どっちからやってみる?」
  • 「手伝ってほしい?自分でやってみたい?」
  • 「5分だけやって、あとは休もうか」

→ コントロールを渡すことで、自分で動こうとする気持ちが育ちます。


第4章 こんな時は専門的な支援も

  • 何をしても強い拒否が続く
  • 家庭でも園でもチャレンジを避ける
  • 「できない」と思い込みが強く、活動が著しく制限されている
  • 挑戦が怖くて極端に不安になる様子が見られる

→ ASD、ADHD、強い不安傾向など、発達的な背景が関係している可能性があります。
一度、発達支援センターや療育機関、小児科などで相談してみましょう。


最後に:「やらない」ではなく「やれない」のかもしれない

子どもがすぐあきらめてしまうと、「もっと頑張ってよ」と思ってしまいがちですが、
その行動の裏には、

  • 失敗への不安
  • 自信のなさ
  • 「うまくできない自分」を見せたくない思い

などがかくれていることがあります。

「がんばれない」のではなく、
「どうがんばったらいいか、わからない」だけなのかもしれません。

だからこそ、

  • “できる喜び”を少しずつ増やすこと
  • “やってみようかな”と思える関わりを積み重ねること
  • 結果よりも“チャレンジする姿”を見守ること

それが、子どもたちの「やってみよう」の芽を育てていく力になります。

焦らず、少しずつ。
一歩ずつでも、“前に進もうとする気持ち”を信じて支えていきましょう。

療育コンサル 中山 のぞみ
D&I株式会社取締役兼療育センター長
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