気に入らないとすぐ怒る…感情のコントロールが苦手な子への対応法
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気に入らないとすぐ怒る…感情のコントロールが苦手な子への対応法

2025年6月5日 更新:2026年5月18日

「また怒ってる…」「こんなに爆発するなんて」——と悩む前に知っておきたいこと

  • おもちゃを取られると、いきなり大声で怒る
  • 思い通りにいかないと床に寝転んで泣き叫ぶ
  • 友達に注意されると手が出てしまう

こうした「感情の爆発」に、どう対応していいのかわからず、困ってしまう保護者は少なくありません。
中には「こんなに怒るなんて…」「この子、大丈夫かな…」と不安になる方も。

でも、まず知っておいてほしいのは、幼児の感情コントロールは、まだ未熟であって当然だということです。


幼児の「怒り」は発達の一場面

3〜5歳ごろの子どもは、自我が芽生えて「自分の思い通りにしたい!」という気持ちが強くなる時期です。
しかしその一方で、

  • 自分の気持ちをうまく言葉にできない
  • 相手の立場に立って考えることが難しい
  • 「我慢する」力が育っていない

こうした発達のアンバランスさから、「怒り」という強い感情が爆発しやすくなります。

これは決して「性格の問題」ではありません。
子どもの脳の成長過程に起きる自然な現象なのです。


感情のコントロールは“脳の力”

感情を調整する力は、脳の前頭前野(前頭葉)という部分で担われています。
この部分は、じっくりと時間をかけて発達する場所で、完成は20歳ごろともいわれています。

つまり、幼児期の子どもが「感情的になる」「思い通りにいかないとパニックになる」のは、脳がまだ未熟で当然なのです。


感情が爆発する子どもへのNG対応

つい、大人も感情的になってしまいがちですが、以下のような対応は逆効果になることがあります。

1. 「怒るのはよくない!」と頭ごなしに叱る

  • 怒ること自体は自然な感情です。
  • 「怒る=ダメなこと」と否定され続けると、子どもは感情表現が苦手になります。

2. 「うるさい!黙りなさい!」と感情を抑え込む

  • 感情を爆発させている子どもに、さらに強い刺激(怒鳴り声)を与えると、余計に混乱して収拾がつかなくなります。

3. 無理に話をさせようとする

  • 感情が高ぶっているときは、話す・考える余裕がありません。
  • クールダウンの時間が必要です。

今日からできる!感情のコントロールを育てる5つの方法

1. 「気持ちを言葉にしてあげる」代弁の声かけ

子どもが怒っているとき、まずは感情を“言葉”にしてあげましょう。

✅ 例:

  • 「おもちゃ取られて、くやしかったね」
  • 「やりたかったのに、終わっちゃって悲しかったんだね」
  • 「言いたいこと、うまく伝えられなかったんだね」

自分の気持ちを理解してもらえたと感じることで、子どもは落ち着きやすくなります。
また、「怒っていいけど、やり方を変えようね」と学ぶきっかけにもなります。


2. 感情を整理できる“場所”や“時間”をつくる

感情が爆発している最中は、話を聞くのも難しい状態です。
そんなときは「心を落ち着ける場所(クールダウンスペース)」をつくっておくと効果的です。

✅ 例:

  • 静かなコーナーにクッションやぬいぐるみを置く
  • 「ここで深呼吸してからお話しようね」
  • タイマーを使って「あと5分で戻ろうか」と見通しを与える

ポイントは、「罰」ではなく「気持ちを整えるための時間」として伝えることです。


3. 落ち着いた後に「振り返り」をする

怒っているときに注意しても、子どもは聞く耳を持ちません。
大切なのは、「落ち着いた後に」「短く・具体的に」話すこと。

✅ 例:

  • 「怒っていたとき、手が出ちゃったね。どうしたらよかったかな?」
  • 「“貸して”って言えば、順番に使えたかもね」
  • 「ママに“助けて”って言えばよかったね」

“どうすればよかったか”を一緒に考えることで、次回の行動が変わっていきます。


4. 「感情カード」や「表情絵本」で気持ちを知る練習

感情を言葉にするのが苦手な子には、視覚的に気持ちを表現できるツールが役立ちます。

✅ 活用例:

  • 「いまの気持ちはどれ?」と絵カードを指さしてもらう
  • 絵本で「この子はどんな気持ちかな?」と一緒に考える
  • 「悲しいときは青、うれしいときは黄色」など、色で表す工夫も効果的です

感情に名前をつけることで、子どもは少しずつ自分の気持ちを把握し、伝える力が育っていきます。


5. 怒らずに我慢できたら「しっかり認めて」ほめる

「怒らずに言えた」「我慢できた」という経験は、子どもにとって大きな自信になります。

✅ ほめ言葉の例:

  • 「“かして”ってちゃんと言えたね、すごい!」
  • 「手が出そうになったけど、止められたね」
  • 「泣かずにお話しできたの、ママうれしいよ」

子どもは“怒らない方がうれしいことがある”と気づき、次もがんばろうと思えるようになります。


それでも怒りが強すぎる場合は?

  • 毎日のように感情の爆発が起きる
  • 友達に攻撃的な行動が続く
  • 怒ると自傷的な行動(頭を打つ、物を壊す)がある

このような場合は、発達特性の影響や、環境へのストレスが背景にある可能性もあります。

✅ 相談先:

  • 発達支援センター
  • 児童発達支援事業所(療育センター)
  • 小児神経科・児童精神科などの医療機関

診断が目的ではなく、「子どもに合った関わり方」を知るための相談として、気軽に活用してみてください。


まとめ:「怒る」ことは悪じゃない。表現の仕方を一緒に学ぼう

子どもが怒るのは、「困っている」「どうしたらいいかわからない」サインです。

  • 感情を言葉で代弁する
  • 落ち着ける時間や場所をつくる
  • 振り返りの中で“次にできること”を一緒に考える
  • 怒らなかったときの成功をしっかり認める

怒ることをやめさせるのではなく、「怒ってもいいけど、どう伝えるか」を一緒に練習していく
その関わりが、子どもの自己コントロールの力を育てていきます。

「今日は少し怒らずにいられた」
その一歩を、一緒に大切にしていきましょう。

療育コンサル 中山 のぞみ
D&I株式会社取締役兼療育センター長
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