「何度言ってもできない…」子どもが行動しやすくなる伝え方とは?
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「何度言ってもできない…」子どもが行動しやすくなる伝え方とは?

2025年6月6日 更新:2026年5月18日

「また同じことしてる」「さっきも言ったでしょ」——とイライラする前にできること

  • 靴を揃えてと言っても毎回ぐちゃぐちゃ
  • ごはんのときに席を立たないでと言ってもすぐ立つ
  • お片付けの声かけに全く反応しない

「何回言ったらわかるの?」と、毎日同じ注意を繰り返し、疲れ果てていませんか?

でも実は、「子どもが聞いていない」のではなく、
「伝わり方が子どもに合っていない」だけかもしれません。


幼児にとって「言われたことを行動に移す」はとても難しい

大人にとっては何でもない行動でも、幼児にとっては意外と高度なスキルが必要です。

1. 言葉を理解する力

「靴を揃えて」と言われても、意味があいまいだったり、何をどうすればよいのかわからないことがあります。

2. 行動を切り替える力

遊びに夢中なときに声をかけられても、気持ちのスイッチがすぐには切り替えられません。

3. 記憶と実行のバランス

「覚えておく力(ワーキングメモリ)」と「実行する力(実行機能)」が、発達の途中段階にあるため、「わかっていても動けない」ということが多々あるのです。


「何度も言ってるのにできない…」と感じる3つの落とし穴

1. 抽象的な言葉を使っていない?

「ちゃんとして!」「そろそろ片付けなさい」
こうした抽象的な指示は、子どもにとっては“何をどうすればいいかわからない”場合があります。

✅ 解決のヒント:

  • 「おもちゃを箱に入れてね」
  • 「ブロックを青いかごに片付けてね」など、具体的な行動で伝えましょう。

2. 一度に複数の指示を出していない?

「靴を揃えて、そのあとカバンを出して、ご飯の前に手を洗って」
このように複数の指示が続くと、子どもの頭の中はパンクしてしまいます。

✅ 解決のヒント:

  • 指示は1つずつ、順番に伝える
  • 「まず靴を揃えよう。終わったら教えてね」→完了したら次の指示

3. 声かけのタイミングが合っていない?

子どもが集中して遊んでいるときや、気持ちが興奮しているときに注意しても、届かないのは当然です。

✅ 解決のヒント:

  • 「今いいところだね。でもあと5分でおしまいにしようね」
  • 「このブロックを置いたら片付けだよ」と予告を入れる

行動につながる!子どもに届く声かけ5つの工夫

1. 視覚を使って伝える

幼児は言葉だけで理解するのが難しいこともあります。
絵や写真、実物など“目で見てわかる”情報は、理解と行動に直結します。

✅ 具体例:

  • 「おかたづけ」の絵カードを見せながら伝える
  • 「おやつ→トイレ→おでかけ」の順番を写真で並べて伝える
  • 洗面所に「手を洗う手順ポスター」を貼る

視覚情報は、ことばの理解が苦手な子にも効果的です。


2. 行動を“実況”する

「今、ブロックを片付けてるんだね。あと少しで終わるね」
「靴を揃えてくれてありがとう、キレイになったね」

このように“今していること”を言葉で実況すると、やっていることへの自信と達成感につながります。

✅ メリット:

  • 子どもが「見てもらえている」と感じる
  • 行動とことばが結びつきやすくなる
  • 自分で行動をコントロールしやすくなる

3. 「選ばせる」ことでやる気を引き出す

「○○しなさい」より、「どっちにする?」という選択肢は、子どもに“主体性”を与えます。

✅ 例:

  • 「先にお片付けする?先にトイレ行く?」
  • 「このスプーンとフォーク、どっち使う?」
  • 「これとこれ、どっちのおもちゃから片付ける?」

“自分で決めた”という感覚は、行動のモチベーションを高めてくれます。


4. 小さく区切って成功体験を積む

一度に「全部片付けて」と言われても、途方にくれる子も多いです。
まずは“できそうなこと”を小さく分けることで、達成しやすくなります。

✅ 例:

  • 「まずはブロックだけ片付けよう」
  • 「次は絵本、最後はぬいぐるみね」
  • 「今日は5個だけできたらOK」→明日は6個に!

小さな成功体験を重ねることで、「やればできる」という自信が育ちます。


5. 行動できたら“即座に”ほめる

行動ができたときは、「タイミングよく、具体的に、肯定的に」ほめることがポイントです。

✅ 例:

  • 「言われる前に片付けられたね、すごい!」
  • 「最後まで頑張れたね、かっこいい!」
  • 「お話ちゃんと聞いてくれてありがとう!」

「できたときにしっかり認める」ことで、子どもは“次もがんばろう”という気持ちになります。


どうしても伝わらないときは…

  • 声をかけても返事がない
  • 話している最中にどこかへ行ってしまう
  • 何度も同じ説明をしても理解できていない

このような場合は、発達の特性(ASD・ADHD・言語理解の遅れなど)が関係している可能性もあります。

✅ 相談の選択肢:

  • 児童発達支援センターや療育機関での発達相談
  • 小児科や発達外来(ことばの遅れや実行機能の評価も)
  • 園や学校の巡回相談員への連絡

「伝え方を変えても難しい」と感じたら、一人で抱えず、専門家の視点を借りることも大切です。


まとめ:「伝わらない」のではなく、「伝わり方」が違うだけ

子どもに声をかけたのに動いてくれないと、「聞いてないの?」「ふざけてるの?」と怒りたくなる気持ちは自然なことです。
でも、その多くは「伝え方の工夫」で、驚くほどスムーズに変わっていきます。

  • 抽象的ではなく、具体的に
  • 一度に複数ではなく、ひとつずつ
  • 言葉だけでなく、視覚も活用して
  • 成功体験を積ませて、自信につなげる
  • 行動できたときは、すぐにしっかり認める

「伝え方を変える」ことは、「子どもを変える」ことではありません。
子どもの発達に寄り添いながら、一緒にできる方法を探っていく関わりです。

今日から、あなたの声かけが子どもに届く一歩を、始めてみませんか?

療育コンサル 中山 のぞみ
D&I株式会社取締役兼療育センター長
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