「ダメ!」ばかり言っていませんか?禁止ではなく行動を導く声かけ術
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「ダメ!」ばかり言っていませんか?禁止ではなく行動を導く声かけ術

2025年5月30日 更新:2026年5月18日

「やめなさい」「走らない」「触らない!」——その声、子どもに届いていますか?

「ダメって言ってるのに、やめない」
「注意しても、また同じことをする」
「つい怒鳴ってしまって、自己嫌悪…」

子育ての毎日で、つい繰り返してしまう「ダメ!」「やめなさい!」という言葉。
でも、その“禁止の言葉”は、本当に子どもに届いているのでしょうか?

実は、「ダメ」と言うだけでは、子どもは“どうしたらいいか”がわからないのです。


「禁止の言葉」が子どもに伝わらない3つの理由

1. 「ダメ」と言われても、行動の意味がわからない

たとえば子どもがソファの上をジャンプしていたとき、
「ダメ!」と一喝しただけでは、子どもは何がいけないのか理解できません。

  • 「ジャンプすること」が悪いの?
  • 「場所」がいけなかったの?
  • 「音がうるさい」のが問題?

子どもにとって「ダメ!」は情報が足りない言葉なのです。


2. 言われすぎて“慣れてしまう”

「ダメ」「やめなさい」を繰り返し聞かされていると、子どもは次第に聞き流すようになります。
まるでBGMのように右から左へ…。

これは「反抗している」わけではなく、脳が刺激に慣れて反応しなくなっている状態です。
つまり、「届かない言葉」になってしまっているのです。


3. 「否定される」と感じてしまう

禁止の言葉ばかりをかけられていると、子どもは

  • 「自分はダメな子なんだ」
  • 「僕のすることは全部間違ってる」

と感じてしまうことがあります。
その結果、自己肯定感が下がる→反発心が強くなる→ますます言うことを聞かないという悪循環に…。


「ダメ!」を減らして、行動を導くための声かけ術

禁止ではなく、子どもに届く伝え方に変えてみましょう。
ここでは、明日からすぐに使える「ポジティブな声かけ」のコツをご紹介します。


1. 「してほしい行動」を明確に伝える

「走らない!」ではなく、
✅「歩こうね」
「触らないで!」ではなく、
✅「見ているだけにしようね」
「うるさい!」ではなく、
✅「静かに話そうね」

✴︎ポイントは、“してほしくないこと”を否定するのではなく、“してほしいこと”を肯定的に伝えること。

このように伝えることで、子どもは次にどう動けばいいかがわかります。


2. 短く・具体的に・穏やかに

幼児には、長くて抽象的な説明は通じにくいもの。

  • 「ちゃんとして」「いい加減にしなさい」は、何をすればいいかが不明確。
  • 「立っていると危ないよ、座ろうね」のように、短くて具体的な言葉にしましょう。

さらに、穏やかな声のトーンで伝えると、子どもは落ち着いて受け取りやすくなります。


3. 行動を「代替案」で切り替える

注意しただけではやめられない行動も、代わりの選択肢を示すとスムーズに切り替えられます。

✅ 具体例:

  • 「ソファでジャンプしないで!」 →「ジャンプはマットの上でしよう」
  • 「うるさいよ!」 →「このおもちゃで静かに遊ぼうか」
  • 「触っちゃダメ!」 →「おててはおひざにしようね」

「こうしてほしい」を提示することで、子どもも“叱られた”と感じにくく、前向きに切り替えができます。


4. 注意の前に「予告」を入れる

突然「やめなさい!」と止められると、子どもはびっくりして反発します。
行動の前に「見通し」を伝えておくことで、スムーズな切り替えができます。

✅ 予告の工夫例:

  • 「あと2回ジャンプしたらおしまいね」
  • 「この電車がトンネルを通ったら片づけよう」
  • 「おやつを食べたら歯を磨こうね」

“区切り”を作ることで、子どもは気持ちの準備がしやすくなります。


5. 行動が変わったら「すぐに認めてほめる」

禁止から行動を切り替えたあとは、「できた!」を必ず言葉で伝えてあげましょう。

✅ ほめ言葉の例:

  • 「ちゃんとお片づけできたね、ありがとう」
  • 「今、自分から座れたね、すごいよ」
  • 「ママのお話、ちゃんと聞いてくれてうれしいな」

子どもは「叱られたくない」より、「ほめられたい」の気持ちで行動を学んでいきます。


でも、「本当に危険なとき」はどうする?

もちろん、道路に飛び出しそうになったり、高いところに登っていたり、
「命に関わる場面」では瞬時に止める必要があります。

その際は、

  • 大きな声で「ストップ!」「ダメ!」と止める
  • 落ち着いたら、「なぜダメだったのか」を丁寧に説明する
  • 最後は「教えてくれてありがとう」「わかってくれてうれしい」と伝える

禁止の言葉は「命を守るためのツール」として、大事な場面で“効果的に”使うことが大切です。


保護者も「自分に優しく」なっていい

「また“ダメ”って言っちゃった…」
「感情的に怒鳴ってしまった…」

そんな日も、あります。
それでも大丈夫です。

大切なのは、“自分を責めすぎないこと”と、“明日またやり直す”こと。

  • 昨日より少し優しく言えた
  • 一つだけでもポジティブな声かけができた
  • 怒らずに見守れた1場面があった

そんな「できた」を、保護者自身も認めてあげてください。


まとめ:「ダメ!」をやめるのではなく、伝え方を変えるだけ

「ダメ!」「やめなさい!」という言葉は、決して悪ではありません。
ただ、それだけでは子どもには伝わりにくく、「どうすればいいのか」がわからないのです。

だからこそ、

  • ポジティブな言葉に置き換える
  • 具体的に、穏やかに伝える
  • 代替案を示す
  • できたらしっかり認めてほめる

こうした関わりが、「叱らなくても伝わる関係」へと変えていきます。

あなたのひと言が、子どもの未来のコミュニケーションの土台になります。
今日から少しずつ、“伝わる言葉”に置き換えていきましょう。

療育コンサル 中山 のぞみ
D&I株式会社取締役兼療育センター長
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