「叱ってばかり…」自己肯定感を育てる言葉かけとは
専門家ブログ

「叱ってばかり…」自己肯定感を育てる言葉かけとは

2025年5月27日 更新:2026年5月18日

「また怒ってしまった…」そんな毎日に悩んでいませんか?

「ちゃんと片付けなさい!」「なんでまた同じことするの!?」
毎日のように叱ってしまい、そのたびに自己嫌悪に陥る——。
「子どもを大切に育てたい」と思っているのに、なぜかイライラが止まらず、結局怒ってしまう。
こんな悩みを抱える保護者は少なくありません。

でも、「叱らないようにしよう」と意識するほど、逆にイライラしてしまうものです。
では、どうすればいいのでしょうか?


叱ることで子どもに起こる「3つの悪影響」

まず、知っておきたいのは、「叱ること」が子どもに与える影響です。
叱られることが続くと、子どもは次のような心の変化を経験します。

1. 自己肯定感が低くなる

  • 「どうせ僕はダメなんだ」「また怒られるかもしれない」
  • 叱られることで、自分に自信を持てなくなり、積極的に行動することを避けるようになります。

2. チャレンジ精神が失われる

  • 「やってもどうせ怒られるから…」
  • 失敗を恐れて新しいことに挑戦しなくなります。

3. 親子関係が悪化する

  • 「お母さんはいつも怒ってる」「お父さんは怖い」
  • 怒られるたびに心を閉ざし、相談しづらい関係になってしまうことも。

「叱ること」は本当に悪いのか?

ここで勘違いしないでほしいのは、「叱ること自体が悪い」わけではないということです。
子どもが危険なことをしたり、他人を傷つける行動をしたときには、叱ることも大切です。

問題は「叱り方」と「頻度」です。

  • 何度も繰り返し叱る
  • 理由を説明せずに怒鳴る
  • 感情的に叱ってしまう

このような叱り方は、子どもにとって「なぜ怒られているのか」がわからず、ただ恐怖心だけが残ります。
結果として、同じ行動を繰り返し、さらに叱る——という悪循環に陥ってしまうのです。


叱る代わりにできる!自己肯定感を育てる3つの言葉かけ

1. 「できたこと」に注目してほめる

叱りたくなる気持ちを抑え、まずは「できたこと」を見つけてみましょう。

✅ 具体例:

  • 「ちゃんと靴を揃えられたね!」
  • 「今日はおもちゃをお片付けできたね」
  • 「最後まで話を聞いてくれてありがとう」

ポイントは、「具体的」に伝えることです。
「えらいね」だけではなく、「何が良かったか」を明確に伝えることで、子どもも「またやってみよう」と思えるようになります。


2. 「どうしてそうしたの?」と気持ちを尋ねる

叱る前に、まずは子どもの気持ちに目を向けてみましょう。

  • 「どうしたかったの?」
  • 「何が嫌だったの?」
  • 「困ったことがあったの?」

叱る前に子どもの思いを聞くことで、「ただ怒られた」と感じにくくなります。
また、保護者自身も「叱らなければいけない」と思い込まず、子どもに寄り添うことができます。

✅ 具体例:

  • 兄弟を叩いてしまったとき:「嫌だったんだね。でも叩くのはダメだよ」
  • おもちゃを投げたとき:「イライラしたんだね。投げる代わりに話してみよう」

3. 「ありがとう」と感謝を伝える

叱る場面が多いときこそ、感謝の言葉を増やしてみましょう。
子どもは「自分は家族の役に立っている」と感じることで、自分に価値を感じ、自己肯定感が高まります。

✅ 具体例:

  • 「お片付けしてくれてありがとう!」
  • 「お手伝い助かったよ!」
  • 「教えてくれてありがとう!」

感謝の言葉は、子どもに「認められている」「必要とされている」と感じさせます。
これが、心の安定につながります。


叱る場面でも使える!ポジティブ変換フレーズ

どうしても叱らなければいけない場面もあります。
そんなときは「叱るフレーズ」を「ポジティブ変換」してみましょう。

叱るフレーズポジティブ変換
なんでちゃんとできないの?次はどうすればうまくいくかな?
また散らかして…少しずつ片付けようか!
いい加減にしなさい!落ち着いたら話そうね。
静かにしなさい!ここは静かにすると気持ちいいね。

ポジティブ変換は、「叱られている」感覚を和らげ、子どもが受け入れやすくなります。


「自己肯定感を育てる」とは?

自己肯定感とは、「自分は大切な存在」「自分はできる」という感覚です。
この感覚は、子どもの心の土台となり、将来のチャレンジ精神や社会性にも大きく影響します。

  • 叱られてばかりの子は、「自分はダメだ」と思いがち
  • ほめられた経験が多い子は、「自分はできる」と自信を持てる

では、「ほめる」だけが大事なのかというと、そうではありません。
大切なのは、「ありのままの自分を認めてもらえた」という感覚です。


まとめ:「叱らない子育て」ではなく、「育てるための言葉かけ」

叱ることが悪いのではなく、叱り方や言葉の使い方を工夫することが大切です。
そして、何よりも大切なのは「認めてあげること」。

  • できたことはしっかりほめる
  • 気持ちを受け止めてあげる
  • 感謝の言葉を伝える

「叱らない」と意識しすぎず、「どう伝えたらいいかな?」と考えてみましょう。
それだけで、子どもの心は少しずつ変わっていきます。

親子で笑顔が増える毎日を目指して、まずは「ありがとう」と言うところから始めてみてください。

療育コンサル 中山 のぞみ
D&I株式会社取締役兼療育センター長
プロフィールを見る 専門家ブログ一覧