感覚過敏で「着替えがイヤ!」どうしたらいい?
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感覚過敏で「着替えがイヤ!」どうしたらいい?

2025年5月25日 更新:2026年5月18日

「この服はチクチクする!」「靴下が痛い!」と大泣き…

毎朝の着替えが大騒ぎ——。
服を着せようとすると「イヤ!」と泣き叫び、靴下を履かせても「痛い!」と拒否。
「ただのわがまま?」と感じることもありますが、それはもしかすると「感覚過敏」かもしれません。


感覚過敏とは?子どもが“感じすぎる”世界

感覚過敏とは、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚などの感覚が、通常よりも敏感に反応する状態です。
特に子どもは感覚が大人よりも繊細で、環境の刺激を強く感じることがあります。

たとえばこんなこと、ありませんか?

  • 服のタグがチクチクして着られない
  • 靴下のゴムが「きつい」「かゆい」と嫌がる
  • 新しい服は硬くて嫌がるが、古いTシャツは安心して着られる
  • 特定の素材(フリース、ニット)が「痛い」と感じる
  • 寒いはずなのに「暑い!」と言って脱いでしまう

こうした行動は「わがまま」ではなく、子どもにとっては本当に不快な感覚なのです。


なぜ感覚過敏が起こるのか?

感覚過敏の背景には、「感覚処理の違い」があります。
感覚は脳で処理されますが、この処理が通常よりも過敏に反応してしまうため、

  • 小さな刺激でも「痛い」「かゆい」と強く感じる
  • 周りが気にしない音や光が気になってしまう
  • 温度の変化を敏感に感じ取る

特に発達特性(ASD:自閉スペクトラム症、ADHD:注意欠如・多動症)を持つ子どもには、この感覚過敏がよく見られます。
また、感覚の敏感さは「一時的」であることも多く、成長とともに少しずつ改善されることもあります。


感覚過敏の子どもに「やってはいけない」NG対応

1. 無理やり着替えさせる

「いいから着なさい!」と押さえつけて着替えさせても、子どもは「不快感」を強く覚え、さらに着替えを嫌がるようになります。

2. 「我慢しなさい」「わがままだよ」

子どもにとっては本当に「痛い」「かゆい」と感じています。
それを否定されると、「伝わらない」「わかってもらえない」と感じ、親への信頼も薄れてしまうことがあります。

3. 「他の子は大丈夫なのに…」と比較する

兄弟や友達と比べることは、子どもにとって大きなストレスです。
「なんでこの子だけ?」と思うかもしれませんが、感覚はその子自身の特性です。


今日からできる!感覚過敏の子どもへの5つの対応方法

1. 「快適な素材」を選ぶ

  • 無縫製(シームレス)のインナーを選ぶ
  • タグが外せるもの、タグが外側にある服を選ぶ
  • 綿100%など肌に優しい素材を優先
  • 靴下はゴムがゆるめのもの、つま先に縫い目がないものを選ぶ

✅ 具体例:

  • ユニクロの「エアリズムインナー」は無縫製で肌触りがよい
  • ベビー服ブランドの「無縫製ソックス」も人気

2. 子どもと一緒に「選ぶ」

「これがいい」「こっちがイヤ」と自分で選ばせることで、着替えへの抵抗が減ります。

  • ショッピングに一緒に行き、「触ってみて、気持ちいい?」と確認
  • 自宅でも「今日はどの服にする?」と選択肢を与える

3. 服は「慣れたもの」を使う

新しい服は硬くて着心地が悪いことがあります。

  • 最初は洗濯を繰り返し、柔らかくしてから着せる
  • 「お気に入りの服」があれば、似た素材・形のものを選ぶ

4. 無理に「克服させよう」としない

感覚過敏は「感じ方の違い」であり、「訓練」で治るものではありません。

  • 「少しずつ慣れるよ」と声をかけ、焦らず見守る
  • 一度に全部着替えさせるのではなく、「まずはTシャツだけ」など、少しずつステップを踏む

✅ 具体例:冬でも「無理に厚着させない」

  • 子どもが「暑い!」と感じるなら、薄手で重ね着できる服を選ぶ
  • マフラーや手袋も「イヤ」と感じる場合は、ネックウォーマーやポケットで代用

5. 子どもの「感覚」を言葉で代弁してあげる

「チクチクして痛いね」「ゴムがきついんだね」「暑くてイヤなんだね」
保護者が子どもの不快感を代弁してあげることで、子どもは「わかってもらえた」と感じ、安心できます。


朝の着替えをスムーズにするための工夫

朝は時間がないため、感覚過敏の子どもにとってもプレッシャーが大きくなりがちです。
次のような工夫で、少しでもストレスを減らしましょう。

1. 前日の夜に着替えを準備

  • 子どもと一緒に明日の服を選ぶ
  • 「この服はイヤ!」があれば別のものに変更

2. 朝は「リラックスできる時間」をつくる

  • 朝食後に5分だけ抱っこやハグをして「安心感」を与える
  • 子どもが好きな音楽をかけながら着替えさせる

3. できたら「しっかりほめる」

  • 「ちゃんと着替えられたね!」
  • 「今日は泣かずに頑張ったね!」
  • 小さな成功を重ねることで、「着替えもできるんだ」と自信がつきます。

まとめ:感覚過敏は「個性のひとつ」

感覚過敏は、子どもの「感じ方の違い」です。
無理に「慣れさせる」「我慢させる」ことは逆効果。
大切なのは、「どうしたら快適に過ごせるか」を一緒に考えることです。

  • 子どもが「心地よい」と感じる素材を見つける
  • 無理強いせず、少しずつ慣れさせる
  • 「痛い」「かゆい」の気持ちを受け止める

感覚過敏は成長とともに変わることもあります。
焦らず、無理せず、子どもに寄り添いながら「心地よい毎日」を目指しましょう。

療育コンサル 中山 のぞみ
D&I株式会社取締役兼療育センター長
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