感覚過敏で生活が大変。音や光を嫌がる
専門家ブログ

感覚過敏で生活が大変。音や光を嫌がる

2026年4月11日 更新:2026年5月18日

掃除機をかけると、耳を塞いで泣き叫びます。洗濯機の音も嫌がります。外では、救急車のサイレン、工事の音、犬の鳴き声。音がするたびに、パニックになります。

服も大変です。タグを嫌がる、縫い目を嫌がる、特定の素材しか着られません。新しい服を買っても、着てくれません。毎日同じ服ばかりです。

食事も苦労します。特定の食感しか食べません。ザラザラしたもの、ドロドロしたものは拒否します。匂いにも敏感で、食べられるものが限られています。

外出も困難です。明るい光を嫌がる、人混みを嫌がる、触られるのを嫌がる。スーパーに行くだけで、疲れ果てます。公園でも、砂や土を触りたがりません。

感覚過敏で、生活が大変です。どうすればいいのか分かりません。

感覚過敏。これは、発達障害のお子さまに非常に多く見られる特性です。しかし、適切な対応と環境調整、そして早期療育で、感覚過敏は軽減できます。生活が楽になります。

感覚過敏とは

感覚が過度に敏感

感覚過敏とは、音、光、触感、匂い、味などの感覚刺激に対して、過度に敏感な状態です。

定型発達の人には気にならない刺激が、耐えられないほど強く感じます。本人にとって、本当に苦痛なのです。

発達障害のお子さまに多い

感覚過敏は、発達障害のお子さま、特に自閉スペクトラム症のお子さまに非常に多く見られます。

80%以上の自閉症のお子さまが、何らかの感覚過敏を持っているといわれています。

複数の感覚で過敏

一つの感覚だけでなく、複数の感覚で過敏なことも多いです。

聴覚と触覚、視覚と嗅覚など、いくつもの感覚で過敏があることもあります。

日常生活に支障

感覚過敏は、日常生活に大きな支障をきたします。

外出できない、食事ができない、着替えができない、睡眠ができない。生活のあらゆる場面で困難が生じます。

感覚過敏の種類

聴覚過敏

音に対して、過度に敏感です。

掃除機、洗濯機、ドライヤー、サイレン、工事の音、犬の鳴き声、赤ちゃんの泣き声。定型発達の人には普通の音が、耐えられないほど大きく感じます。耳を塞ぐ、泣く、パニックになります。

触覚過敏

触られることに、過度に敏感です。

服のタグや縫い目が痛い、特定の素材が嫌、靴下が嫌、帽子が嫌。人に触られるのも嫌がります。髪を切ること、爪を切ることも嫌がります。砂や泥、粘土などを触ることも拒否します。

味覚過敏

味に対して、過度に敏感です。

苦味、酸味を強く感じる。野菜の苦味が耐えられない、果物の酸味が耐えられない。特定の味しか受け付けません。これが、偏食につながります。

嗅覚過敏

匂いに対して、過度に敏感です。

食べ物の匂い、香水の匂い、洗剤の匂い、トイレの匂い。定型発達の人には気にならない匂いが、耐えられないほど強く感じます。特定の場所に行けないこともあります。

視覚過敏

光や視覚刺激に、過度に敏感です。

明るい光が眩しくて耐えられない、蛍光灯がチカチカして気になる、特定の色やパターンが嫌。外出時にサングラスが必要なこともあります。

複合的な過敏

複数の感覚で過敏があると、日常生活はさらに困難になります。

音も光も触感も嫌、となると、外出することすら難しくなります。

なぜ感覚過敏があるのか

脳の情報処理の違い

感覚過敏は、脳の情報処理の違いによって起こります。

感覚刺激を脳がどう処理するか、そのフィルター機能が弱いのです。定型発達の人なら気にならない刺激を、フィルターできずに、強く感じてしまいます。

自閉スペクトラム症の特性

自閉症の脳は、感覚情報の処理が独特です。

特定の感覚に過敏になりやすい特性があります。これは、本人の意志ではコントロールできません。脳の特性なのです。

遺伝的要因

感覚過敏には、遺伝的要因もあります。

親や兄弟にも感覚過敏がある場合、お子さまも感覚過敏になりやすいです。

成長とともに変化する

感覚過敏は、成長とともに変化することがあります。

小さい頃は非常に過敏だったものが、成長とともに軽減することもあります。逆に、新しい感覚過敏が出ることもあります。

家庭でできる感覚過敏への対応

環境を調整する

感覚刺激を減らす環境調整が、最も大切です。

聴覚過敏なら、静かな環境を作る、イヤーマフを使う。触覚過敏なら、タグを切る、柔らかい服を選ぶ。視覚過敏なら、明るすぎない照明にする。お子さまの過敏に合わせて、環境を整えます。

予告する

苦手な刺激がある場合、事前に予告します。

これから掃除機をかけるよ、と予告する。音が出る前に、イヤーマフをつける。予告があると、心の準備ができます。

避けられるものは避ける

必要のない刺激は、避けます。

香水をつけない、強い匂いの洗剤を使わない、うるさい場所に行かない。避けられる刺激は、避けることが大切です。

代替手段を提供する

苦手な感覚の代わりに、代替手段を提供します。

タグが嫌なら、タグなしの服を買う。靴下が嫌なら、履かなくても良い環境を作る。無理強いせず、代替手段を探します。

少しずつ慣らす

感覚過敏は、少しずつ慣らすことで軽減することもあります。

ただし、無理は禁物です。本人が我慢できる範囲で、少しずつ、段階的に慣らします。

感覚を満たす

過敏な感覚もあれば、逆に鈍感な感覚もあります。

鈍感な感覚は、満たしてあげることも大切です。体を動かす、圧迫感のあるものを好む、など。感覚を満たすことで、落ち着くこともあります。

本人の訴えを信じる

本人が嫌だと言ったら、信じます。

わがままではありません。本当に苦痛なのです。我慢させるのではなく、環境を調整することが大切です。

専門家に相談するタイミング

日常生活に大きな支障がある時

感覚過敏のために、外出できない、食事ができない、着替えができない。

日常生活に大きな支障がある場合は、早めに相談が必要です。

パニックが頻繁にある時

感覚刺激でパニックになることが頻繁にある場合は、支援が必要です。

本人も家族も、疲れ果てます。

集団生活で困難がある時

幼稚園や学校で、感覚過敏のために困難がある場合は、相談が有効です。

園や学校と連携しながら、配慮してもらえます。

偏食が極端な時

感覚過敏による偏食が極端で、栄養面が心配な場合は、相談が必要です。

感覚統合の支援が効果的なこともあります。

療育での感覚過敏への支援

感覚統合療法

感覚統合療法は、感覚過敏に非常に効果的です。

感覚を整える遊びを通して、脳の感覚処理機能を改善します。ブランコ、トランポリン、マットなど。楽しく遊びながら、感覚を整えます。

段階的な脱感作

苦手な感覚に、少しずつ慣れる練習をします。

無理強いせず、本人が我慢できる範囲で、段階的に進めます。成功体験を積むことで、少しずつ慣れていきます。

環境調整の指導

家庭や園での環境調整の方法を、具体的に指導します。

どのような環境が良いか、どのような配慮が必要か。専門家から具体的なアドバイスがもらえます。

代替手段の提案

苦手な感覚を避けるための、代替手段を提案します。

イヤーマフ、サングラス、特定の素材の服。お子さまに合った代替手段を、一緒に探します。

保護者への助言

療育では、保護者にも具体的な助言ができます。

家庭での環境調整、対応方法、周囲への説明の仕方。専門家からアドバイスを受けることで、家庭でも効果的に対応できます。

早期療育の実際の効果

事例1:3歳で療育開始、感覚統合で聴覚過敏が軽減

3歳の時点で、聴覚過敏が非常に強く、掃除機やドライヤーの音でパニックになっていました。外出も困難でした。

療育施設に相談し、週2回の感覚統合療法を始めました。ブランコ、トランポリン、マットなど、感覚を整える遊びを楽しく行いました。

3ヶ月後、少しずつ音への反応が穏やかになりました。半年後には、イヤーマフをつければ、掃除機の音も我慢できるようになりました。1年後には、イヤーマフなしでも、短時間なら耐えられるようになりました。

完全になくなったわけではありませんが、確実に軽減しました。保護者は、感覚統合療法の効果に驚いた、生活が楽になったと語っていました。

事例2:2歳半で療育開始、触覚過敏が軽減して偏食も改善

2歳半の時点で、触覚過敏が強く、服のタグや縫い目を嫌がり、食事も特定の食感しか食べませんでした。

療育施設に相談し、週1回の療育を始めました。感覚統合療法とともに、段階的に様々な感覚に触れる練習をしました。

粘土遊び、砂遊び、水遊び。最初は嫌がっていましたが、楽しい雰囲気の中で、少しずつ触れるようになりました。

半年後、触覚過敏が軽減し、新しい服も着られるようになりました。そして、食事の食感への過敏も減り、食べられるものが増えました。

1年後には、触覚過敏は大きく改善しました。保護者は、触覚過敏が減ると偏食も改善する、総合的に支援してもらえて良かったと語っていました。

事例3:3歳で療育開始、環境調整で生活が楽になった

3歳の時点で、聴覚過敏、触覚過敏、視覚過敏、すべてありました。外出はほとんどできず、家でも常に刺激を避けていました。

療育施設に相談し、まず環境調整の方法を徹底的に教えてもらいました。イヤーマフ、サングラス、柔らかい服、静かな環境。

家庭でも、環境を徹底的に調整しました。療育でも、感覚過敏に配慮した環境で活動しました。

環境を整えることで、パニックが減りました。本人も落ち着いて過ごせるようになりました。そして、環境が整った中で、感覚統合療法も受けました。

1年後、感覚過敏は完全にはなくなっていませんが、環境調整と療育で、生活が大きく楽になりました。保護者は、環境を整えることの大切さを学んだ、無理に我慢させるのではなく配慮することが重要だと語っていました。

感覚過敏は軽減できる

感覚過敏で生活が大変、音や光を嫌がる。そのお気持ち、よく分かります。

でも、知っておいてください。感覚過敏は、軽減できます。完全になくなるわけではないかもしれませんが、適切な支援で、確実に楽になります。

大切なのは、環境を調整すること、無理強いしないこと、感覚統合療法で感覚を整えること、本人の訴えを信じることです。そして、一人で抱え込まず、専門家の力を借りることです。

感覚過敏が軽減すると、お子さまの生活が楽になります。外出できるようになります。食べられるものが増えます。着られる服が増えます。そして、保護者の負担も軽くなります。

焦らないでください。お子さまのペースで、少しずつ。感覚過敏は、必ず軽減します。その可能性を信じて、今から取り組み始めましょう。

療育センターエコルドで、感覚過敏への支援を

大阪府池田市にある療育センターエコルドは、感覚過敏に悩むお子さまとご家族を支援する療育施設です。

感覚過敏がひどいというお子さまに対して、小集団療育と集団療育を組み合わせた専門的な支援を提供しています。感覚統合療法で感覚を整え、環境調整の方法を具体的に指導し、段階的に脱感作を進め、集団の中でも一人ひとりの過敏に配慮します。

公認心理師による専門的な支援、田中ビネー・ヴァインランドなどの発達検査で客観的に状態を把握、児童発達支援の5領域をバランスよく育てるプログラム、リハビリ専門職が開発したデジリハで楽しく訓練、感覚統合の専門的な支援、保護者への丁寧なフィードバックと家庭での環境調整の助言。感覚過敏を軽減する総合的な支援で、お子さまとご家族の生活をサポートします。

感覚過敏で困っている方、音や光を嫌がって生活が大変な方は、ぜひ療育センターエコルドにご相談ください。

環境を整え、感覚を整え、生活を楽にする支援を、エコルドが全力でサポートします。


療育センターエコルド お問い合わせ

発達検査実施/見学随時受付/感覚統合療法/感覚過敏への専門的支援/

お気軽にお問い合わせください。感覚過敏は軽減できます。お子さまとご家族の生活を、一緒に支えましょう。

療育コンサル 中山 のぞみ
D&I株式会社取締役兼療育センター長
プロフィールを見る 専門家ブログ一覧