“ママじゃなきゃイヤ!”〜特定の人へのこだわりと安心の関係〜
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“ママじゃなきゃイヤ!”〜特定の人へのこだわりと安心の関係〜

2025年9月24日 更新:2026年5月18日

「ママじゃないとダメ!」に悩むとき

「パパが抱っこしようとすると大泣きする」
「祖父母に預けると、泣いてずっとママを探す」
「先生が声をかけても、“ママがいい!”と泣き叫ぶ」

子育てをしていると、こんな「特定の人へのこだわり」に直面することがあります。特に多いのは「ママじゃなきゃイヤ!」という姿です。

保護者としては「パパも頑張ってるのにかわいそう」「このままでは社会性が育たないのでは」と不安になったり、周囲から「甘やかしている」と言われて悩むこともあるでしょう。

しかし、実は「ママじゃなきゃイヤ!」は、子どもの心が育つうえで自然で大切なプロセスです。本記事では、その背景と意味、そして保護者の方ができる寄り添い方をご紹介します。

第1章:「ママじゃなきゃイヤ!」はなぜ起こるのか?

愛着形成のあらわれ

乳幼児は、特定の養育者に強い愛着を形成します。その対象が母親であることが多いため、「ママじゃなきゃイヤ!」となるのです。これは心の安全基地を確かめる行動でもあります。

発達段階として自然なこと

1〜3歳ごろに「特定の人に強くこだわる」姿がよく見られます。成長とともに徐々に他者へも心を開いていきます。

不安のサインでもある

新しい環境や生活の変化があると、「いつもの安心できる人」にこだわる気持ちが強まります。これは自己防衛の働きでもあります。

第2章:よくある場面と子どもの気持ち

パパでは泣きやまず、ママを探す

子どもにとって「パパは安心できない人」ではなく、「ママの安心感が強すぎる」ために起こることです。

声かけ例

  • ママ:「パパも優しいよ、一緒にいようね」
  • パパ:「ママが戻ってくるまで抱っこしてるよ」

園で先生に抱っこされても「ママ!」と泣く

登園直後や生活の変化がある時に強く出やすい姿です。

声かけ例

  • 「ママはお迎えに必ず来るよ。先生と待っていようね」
  • 「ここに来たら、またママに会えるよ」

祖父母や親戚では泣き続ける

親以外の大人への警戒心が強く出ているだけで、関わりを重ねるうちに少しずつ安心していきます。

声かけ例

  • 「おばあちゃんも大好きだよ。ママは近くにいるから安心してね」
  • 「一緒に遊んで待ってみようか」

第3章:「ママじゃなきゃイヤ!」をどう受け止める?

「甘えすぎ」ではない

「ママにべったり」は健全な愛着形成の証拠です。しっかりと甘えた経験を積むことで、子どもは徐々に他の人にも安心を広げていきます。

周囲の理解も大切

「ママにばかり頼って大変だね」と見られがちですが、実は「安心の土台を育てている時期」だと知ってもらうことが大切です。

保護者自身の気持ちのケア

「私じゃないとダメ」という状況は嬉しくもあり、負担でもあります。保護者が疲れすぎないよう、サポートを得ることも必要です。

第4章:子どもの安心を広げる工夫

① 短時間から他の人に預けてみる

最初は5分程度からスタートし、少しずつ「ママ以外の人でも大丈夫」という経験を積んでいきます。

声かけ例

  • 「ママはちょっとお水を取りに行くね。すぐ戻るよ」
  • 「少し待っててね。帰ってきたらぎゅっとしようね」

② 戻ってくることを伝える

「ママは必ず戻ってくる」と分かることが安心につながります。

声かけ例

  • 「お迎えは絶対にママが行くよ」
  • 「遊んでいる間にママは用事をしてくるね」

③ 一緒に関わる時間をつくる

パパや祖父母とママが一緒に遊ぶことで、子どもは「ママと一緒なら大丈夫」と感じ、徐々にその人への安心を広げていきます。

④ 「ママじゃなきゃ」を認める

無理に「パパで大丈夫にしなさい」とせず、「ママが安心なんだね」と認めることで、子どもは安心して次のステップへ進めます。

第5章:支援を考えるタイミング

「ママじゃなきゃイヤ!」自体は自然な発達の一部ですが、以下の場合は相談を検討してもよいでしょう。

  • 年齢が大きくなっても強く続き、生活に支障がある
  • パニックや強い不安で登園や外出が難しい
  • 他の人との関わりにほとんど興味を示さない

療育センターや小児科で相談することで、不安へのサポートや発達特性の理解につながります。

最後に:安心の土台を広げていくために

「ママじゃなきゃイヤ!」は、子どもが安心を求めている証拠です。

  • 愛着形成の大切なプロセスである
  • 無理に直そうとせず、「ママが安心」を認めることが第一歩
  • 少しずつ他者への安心を広げる工夫ができる

ママに強くこだわる時期は、一見「大変」と感じても、やがて「他の人でも大丈夫」に変わっていきます。
そのプロセスを大切にしながら、安心の輪を少しずつ広げていきましょう。

療育コンサル 中山 のぞみ
D&I株式会社取締役兼療育センター長
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