「ことばが遅い気がする…」——“話さない・通じない”に不安を感じたら
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「ことばが遅い気がする…」——“話さない・通じない”に不安を感じたら

2025年6月25日 更新:2026年5月18日

こんにちは。
子育てをしていると、「もう◯歳なのに、うちの子まだ話さない」「言っていることが伝わっていない気がする」といった“ことば”に関する不安を抱える保護者の方はとても多くいらっしゃいます。

言葉の発達には個人差があるとわかっていても、周囲の子がどんどん話し出す姿を目にすると、どうしても焦ったり、不安になったりしてしまうものです。

今回は「話さない・通じない」というお子さんの姿に、不安を抱いたときに知っておきたいことや、今すぐ家庭でできるサポートについてお伝えします。


第1章 ことばの発達は「表に見えない力」に支えられている

まず知っておきたいのは、「ことば」は突然話し出すものではないということです。
実は、言葉を話すまでにはいくつもの“土台”があり、それらが育ってきてはじめて、「言葉」として表現されるようになるのです。

● ことばの前に育つ3つの力

  1. 注目・模倣する力(他者に興味を持ち、まねをする)
  2. 意図を伝えようとする力(指差しやアイコンタクト)
  3. 音やリズムに気づく力(音を聞き分ける力)

これらは“前言語期”の力と呼ばれ、赤ちゃんが発する「あー」「うー」などの喃語や、ジェスチャー、表情などもこの時期に育つ大切なコミュニケーションです。


第2章 「言葉が遅れている」のではなく、「言葉の準備が整っていない」だけかもしれない

言葉の遅れは、必ずしも障害とは限りません。
言葉の準備段階がゆっくりなだけで、徐々に育ってくることも多くあります。

ただし、次のような特徴が複数見られる場合は、言語発達に特性がある可能性もあるため、専門機関に相談することをおすすめします。

✅ 発語が2歳を過ぎてもほとんどない
✅ アイコンタクトが取りづらい
✅ 指差しで「見て」と伝える行動が少ない
✅ 呼びかけに反応しにくい
✅ 好きな言葉ばかりを繰り返す

これらは自閉スペクトラム症(ASD)や言語発達障害などの兆候である場合もありますが、必ずしも診断に直結するわけではありません。


第3章 おうちでできる「ことばの芽」を育てる5つの関わり

(1)「話しかける」より「共有する」ことを大切に

「いっぱい話しかけた方がいい」と思うかもしれませんが、大切なのは“相手の気持ちと経験を共有する”こと。
子どもが見ているものに注目し、「それ、おもしろいね」「わんわんだね」と共感することで、子どもの中に「伝えたい気持ち」が芽生えていきます。


(2)ジェスチャーや表情で伝える力を育てる

言葉が出ていなくても、指差し・うなずき・身振り手振りなどの“非言語コミュニケーション”は大切な発達の一部です。
「ありがとう」「バイバイ」「いや」など、日常の中で動きを交えて伝えていくと、表現の幅が広がっていきます。


(3)“繰り返し”と“まね”ができる遊びを取り入れる

ことばは、まねから始まります。
「いないいないばあ」や「バスにのって」「おべんとうばこ」など、繰り返しのある遊び歌や手遊びは、言葉のリズムを身につけるのにぴったりです。


(4)「選べる機会」をつくる

言葉が出ないときも、「どっちにする?」「ジュース?お茶?」など、“選べる場面”をつくることで、子ども自身が「伝えよう」とする機会が増えていきます。


(5)焦らず、反応を待つ

「ことばが出ないから」といって、つい親が全部先回りしてしまうと、子どもが“伝える機会”を失ってしまうことも。
言葉が出るまで5秒、10秒と“待つ”ことで、子ども自身の「伝えようとする力」が育っていきます。


第4章 「ことば」はコミュニケーションの一つの手段にすぎない

話すことができる=コミュニケーションが上手、とは限りません。
逆に、話せなくても豊かなコミュニケーションがとれる子どももたくさんいます。

大切なのは、「伝える力」「気持ちを感じる力」「やりとりを楽しむ力」。
その土台が育てば、言葉の発達はゆっくりでも、確実に前へと進んでいきます。


最後に:「ことばが出ない=できていない」ではない

ことばは、焦らず、丁寧に待ってあげることで、必ず“その子のタイミング”で花開いていきます。
そして、発語が遅くても、「親と気持ちが通じ合った」経験を積んでいくことで、子どもの心は豊かに育っていきます。

不安なときこそ、「できていること」「伝わっている関係」に目を向けて、親子の“心のキャッチボール”を大切にしていきましょう。

療育コンサル 中山 のぞみ
D&I株式会社取締役兼療育センター長
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