療育センターエコルド ネクスト ”反応が少ない”ではなく、サインを見つける療育 2026年07月09日 更新:2026年07月10日 重症心身障害児や医療的ケア児のお子さんと関わる中で、「反応が少ない」「分かっているのかな?」と感じる場面があるかもしれません。でも、療育の中で大切にしたいのは、反応の大きさだけで判断するのではなく、その子なりの小さなサインを見つけることです。 言葉で「楽しい」「いや」「もう一回」と伝えることが難しいお子さんでも、実はさまざまな方法で気持ちを表しています。たとえば、目線が向く、まばたきが増える、口元がゆるむ、呼吸が変わる、手足が少し動く、身体の力が抜ける、逆に緊張が強くなる。こうした小さな変化は、その子からの大切なメッセージであることがあります。 活動の中では、支援者が「今の反応は何を伝えているのかな?」と丁寧に観察することが大切です。好きな光を見た時に視線が止まる。音楽が流れると表情がやわらぐ。苦手な姿勢になると身体に力が入る。ボールが近づくと呼吸が少し速くなる。一つひとつの反応を記録し、繰り返し見ていくことで、その子の「好き」「苦手」「安心」「不快」が少しずつ見えてきます。 また、サインを見つけるためには、刺激の出し方を調整することも大切です。一度にたくさんの刺激を入れると、どれに反応しているのか分かりにくくなります。光なら光、音なら音、触れるなら手だけ、というように、活動をシンプルにすることで反応を見つけやすくなります。そして、反応を待つ時間を十分に取ることも大切です。大人がすぐに次の声かけや動作を入れてしまうと、本人が反応する前に場面が変わってしまうことがあります。 小さなサインを見つけたら、それを丁寧に返していきます。「今、見てくれたね」「こっちが好きかな」「少しびっくりしたね」「もう一回やってみようか」支援者が反応を受け取り、意味づけて返すことで、その子にとって“自分の反応が伝わった”という経験になります。これは、コミュニケーションのとても大切な土台です。 療育では、大きな動きや分かりやすい発語だけを成果とするのではなく、本人の小さな変化に気づき、それを関わりにつなげていくことを大切にしています。「反応が少ない」のではなく、「まだ見つけられていないサインがあるかもしれない」。そんな視点で関わることで、お子さんの世界や気持ちに近づくことができます。 エコルドネクストでは、表情・視線・呼吸・身体の緊張・手足の動きなど、一人ひとりの小さなサインを丁寧に見つけながら、その子にとって安心できる療育、伝わる経験を積み重ねていきたいと考えています。