“一緒に遊べない…”は心配?——『並行遊び』にある育ちのプロセスを理解する
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“一緒に遊べない…”は心配?——『並行遊び』にある育ちのプロセスを理解する

2025年9月14日 更新:2026年5月18日

お友だちと遊ばない子を見て、不安になるとき

「園でお友だちが一緒にごっこ遊びをしているのに、うちの子は横でブロックを一人でしていた」
「公園に行っても、他の子と遊ばずにマイペースで砂遊びをしている」

そんな姿を見て「うちの子、大丈夫かな?」と胸がざわついた経験はありませんか?

けれども実は、これは自然な発達段階のひとつであり、「並行遊び」と呼ばれる大切なプロセスです。
今回は、この並行遊びの意味、そこからどう「一緒に遊ぶ」につながるのか、そして保護者ができる具体的な声かけについてご紹介します。

第1章:「並行遊び」って何?

並行遊びの定義

並行遊び(parallel play)とは、子どもが同じ空間で遊んでいても、直接的なやりとりをせず、それぞれが自分の遊びをしている状態を指します。

例:

  • 砂場で、一人は山を作り、一人は型抜きをしている
  • 机の上で、一人はブロックでタワーを積み、一人は電車を走らせている

お互いの存在は意識していても、遊びは別々です。

発達段階でみる遊びの流れ

心理学者パーテンが示した「遊びの社会的発達段階」によると、遊びは以下のように進みます。

  1. ひとり遊び(solitary play)
  2. 傍観遊び(onlooker play)
  3. 並行遊び(parallel play)
  4. 連合遊び(associative play)
  5. 協同遊び(cooperative play)

3〜4歳ごろは「並行遊び」が多く、そこから徐々にやりとりのある遊びへ進んでいきます。

第2章:「一緒に遊べない=問題」ではない理由

並行遊びは「社会性の練習」

一見「一人遊び」に見えても、子どもにとっては

  • 他の子の存在を意識している
  • 遊びを観察して学んでいる
  • 空間や道具を共有している

といった社会的な経験を積んでいます。

声かけ例

  • 「お友だちと同じ砂場にいるね。○○ちゃんのこと見てるんだね」
  • 「ブロック、横で一緒に作ってるね。なんだか楽しいね」

こうした言葉をかけるだけで、「一緒にいられること」に価値があると子どもに伝わります。

個人差の幅を受け止める

ある子はすぐに協同遊びに移りますが、別の子は並行遊びをじっくり楽しみます。
「まだ一緒に遊ばない=遅れている」ではなく、「その子のペースで関わりに近づいている」と考えましょう。

第3章:並行遊びから“つながる遊び”へ

やりとりの芽生え

並行遊びの中で「それ貸して」「見せて」など、短いやりとりが生まれることがあります。

声かけ例

  • 「“貸して”って言えたね。ちゃんと伝えられたよ」
  • 「“見せて”ってお願いできたね。いいね!」

ルールや役割の始まり

「ママ役するね」「電車ごっこで運転手ね」と役割分担が始まると協同遊びに移行していきます。

声かけ例

  • 「運転手さんしてくれるんだね。ママはお客さんになるね」
  • 「順番に並んで電車に乗るの、楽しそうだね」

並行遊びを尊重することの大切さ

「一緒に遊びなさい」と急がせるより、安心して並行遊びができる環境を保障することが、次のステップを自然に促します。

第4章:保護者にできる関わりの工夫

存在を認める声かけ

「一緒に同じ場所で遊んでるね」と、ただ一緒にいるだけで価値があることを伝えます。

観察をほめる

「お友だちの遊び、じっと見てたね。どんなふうに思った?」と、観察すること自体を認めます。

自然なきっかけを作る

おもちゃを多めに用意してシェアできる状況をつくることで、やりとりが生まれやすくなります。

声かけ例

  • 「ブロック、たくさんあるから○○くんにもどうかな?」
  • 「同じ色の積み木で作るとおもしろいね」

保護者が橋渡し役に

「○○ちゃんも砂を集めてるよ。一緒に山を大きくしてみる?」と、軽くつなぎ役をしてあげるのも効果的です。

第5章:支援が必要なケースとは?

並行遊び自体は自然な発達段階ですが、以下のような場合は発達相談も検討しましょう。

  • 他の子にまったく関心を示さない
  • 並行遊びの時期を大きく超えても一人遊びだけが続く
  • こだわりが強すぎてやりとりが難しい

早めに相談することで、その子に合ったサポート方法を知ることができます。

最後に:並行遊びは「心配」ではなく「準備」

「一緒に遊ばないから心配」という気持ちは自然ですが、並行遊びは「一緒に遊べるようになるための準備」です。

  • 他の子と同じ空間にいる
  • 遊びを観察して学んでいる
  • 少しずつやりとりが生まれていく

これはすべて、社会性が育つ大切なステップです。
子どもが自分のペースでつながりを作っていけるように、温かいまなざしとちょっとした声かけを届けてあげましょう。

療育コンサル 中山 のぞみ
D&I株式会社取締役兼療育センター長
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