“なぜか姿勢が崩れる”子の秘密——体幹・バランスの発達と遊びの関係
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“なぜか姿勢が崩れる”子の秘密——体幹・バランスの発達と遊びの関係

2025年8月22日 更新:2026年5月18日

こんにちは。
子どもを育てていると、ふとした瞬間にこんな姿を見かけることはありませんか?

  • すぐに床に寝転んでしまう
  • 食事中に姿勢が崩れて、椅子からずり落ちそうになる
  • 姿勢を保つのが苦手で、イスに正しく座っていられない
  • 遊びや勉強に集中していられない、じっとしていられない

「なんでそんな格好になるの?」
「ちゃんと座って!」
「姿勢が悪いから集中できないのでは?」

と、つい注意したくなりますが、
実はこれ、“やる気の問題”や“落ち着きのなさ”だけではなく、身体の土台である「体幹」や「バランス感覚」の発達」に関係している場合があります。

今回は、“姿勢が崩れる子”の体の中で何が起きているのか、そして親としてどんなサポートができるのかを、専門的にかみ砕いてご紹介します。


第1章 そもそも「体幹」とは?

体幹とは、簡単に言えば「頭・手・足を支えている体の中心(胴体)」のことです。
椅子に座る、走る、ジャンプする、字を書く……など、すべての動きの土台になります。

この体幹が未発達だと、以下のような困難が見られやすくなります。

✅ 体幹が弱いことで見られやすい特徴

  • 椅子に座っていられない(すぐに崩れる、姿勢が歪む)
  • 筆圧が弱い、書くのに疲れてしまう
  • 運動遊びで転びやすい、バランスを崩しやすい
  • 落ち着かない、集中が続かない
  • いつもなんとなく“だら〜ん”とした姿勢になる

第2章 なぜ体幹が弱くなるの?

現代の子どもたちは、“じっくり体を使って遊ぶ経験”が減ってきており、それが体幹発達の遅れにつながることがあります。

✅ 体幹発達に影響する現代の環境要因

  • 公園遊びや外遊びの減少
  • 床より椅子・ソファにいる時間が多い
  • 長時間のタブレット・スマホ使用
  • 不安定な姿勢を経験する機会が少ない(木登り、石渡り、坂道など)

特に2〜5歳頃は「粗大運動(全身を使った運動)」のゴールデンタイム
この時期に“転びながら覚える・登りながらバランスをとる”といった経験が、体幹やバランス感覚の発達に大きく影響します。


第3章 体幹とバランス感覚を育てる日常の遊びとは?

✅(1)ゆれる・転がる・ぶら下がる

体幹を刺激するには、「不安定な動き」にたくさん触れることがカギです。

  • ブランコ、うんてい
  • 坂道を転がる
  • ソファやマットでゴロゴロ
  • 親の足にぶら下がる
  • 膝の上で“馬”になってバウンド遊び

✅(2)姿勢を変える・支える

バランスを取る感覚は、実際に“崩れそうになりながら支える”ことで育ちます。

  • 片足立ち、ケンケン
  • クッションの上でジャンプ
  • トンネルくぐり
  • バランスボールに座って本を読む、遊ぶ

✅(3)全身を使って遊ぶ!

動物のまねっこ(クマ歩き、ワニ歩き)、坂道や不整地を歩く、芝生で走るなど、全身を使った動きが特におすすめです。


第4章 家庭でできるちょっとした工夫

✅ 姿勢が崩れやすい子には…

  • 椅子の高さ・足の位置を調整する(足がブラブラしないように足台を)
  • 長時間座らせず、10〜15分に1回は体を動かす時間を作る
  • 机・イスの高さが合っているか確認する
  • 座るより、“立ってお絵描き”や“寝転んで読書”もアリ

✅ 座ることを強制しすぎない

「ちゃんと座って!」と注意しても、体幹が育っていなければ“座っていること自体が苦痛”になってしまいます。

→ 無理に正しい姿勢を強制せず、まずは“座りやすい身体づくり”を意識していきましょう。


第5章 気になる場合は専門家への相談も視野に

以下のような状態が強く見られる場合には、児童発達支援事業所などに相談してみることをおすすめします。

  • 座位保持が極端に難しい
  • 立った姿勢でもすぐにバランスを崩す
  • 集中力が極端に短く、すぐに体を崩す
  • 姿勢保持やバランス感覚が他の同年代より著しく弱い

児童発達支援や小児リハビリでは、遊びの中で体幹を育てる支援プログラムが行われています。


最後に:「姿勢の乱れ」は、子どものせいではなく“体のサイン”

「また寝っ転がってる」
「どうしてきちんと座れないの」
「ちゃんとしなさい」——

そんな言葉をかけてしまいそうになるとき、
「もしかすると、この子の体が“まだ育っていないだけ”かもしれない」と思い出してみてください。

体幹やバランス感覚の未発達は、意欲や性格の問題ではなく“身体的な発達段階”であることが多いのです。

子どもたちは、遊びの中で自然に育っていきます。
そして、大人の理解とサポートがあれば、もっと安心して“からだを支える力”を育てていけるのです。

今日も、無理に座らせるより、一緒に“動いて育てる”時間を楽しんでみませんか?


療育コンサル 中山 のぞみ
D&I株式会社取締役兼療育センター長
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