「ごっこ遊びができないのは大丈夫?」——想像力・社会性の発達段階を理解しよう
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「ごっこ遊びができないのは大丈夫?」——想像力・社会性の発達段階を理解しよう

2025年7月26日 更新:2026年5月18日

こんにちは。
子育てをしていると、ままごとやヒーローごっこなど、「ごっこ遊び」に関する場面をたくさん目にするようになります。
でも、ある日こんなふうに感じることはありませんか?

  • 「他の子がままごとで盛り上がってるのに、うちの子は入っていけない…」
  • 「役になりきって遊ぶことができない」
  • 「想像の世界の遊びに全く興味を示さない」

「もしかして発達が遅れてるのかな…?」「社会性に問題がある?」と心配になる保護者の方も少なくありません。

でも実は、「ごっこ遊び」は“できる・できない”で単純に判断するものではなく、発達の段階に応じて少しずつ育っていくスキルの集まりです。

今回は、「ごっこ遊びが苦手な子ども」に見られる特徴や、その背景、そして家庭でできる支援について、やさしく専門的に解説します。


第1章 「ごっこ遊び」って、どういう遊び?

ごっこ遊びとは、「本物ではないことを理解した上で、何かになりきったり、想像の状況を作ったりして遊ぶこと」です。

例:

  • 「ママになって赤ちゃんのお世話をする」
  • 「お医者さんと患者さんになりきる」
  • 「スーパーヒーローになって敵を倒す」

この遊びは、子どもにとってただの遊びではありません。心や思考、社会性を育てる大切な発達の場面です。


第2章 なぜごっこ遊びが大切なの?

✅ ごっこ遊びが育てる力

  • 想像力・創造性:「目の前にないことを思い描く力」
  • 他者視点の理解:「相手の立場になる経験」
  • 感情の調整力:「気持ちを切り替えたり、コントロールしたりする力」
  • 言語表現力:「セリフを使いながら表現する練習」
  • ルールの理解と共有:「社会のルールを遊びながら学ぶ」

つまり、ごっこ遊びは「子どもが“社会”を小さく再現して体験する活動」なのです。


第3章 「ごっこ遊びが苦手」な子の特徴と背景

(1)想像の世界と現実の区別が難しい

→ 抽象的な場面をイメージすることが苦手で、現実とフィクションの境目が曖昧になる。


(2)他人の立場に立って考えるのが難しい

→ ASD傾向のある子どもでは、「自分とは別の存在になりきる」ことが理解しづらい場合があります。


(3)言葉でのやりとりが苦手

→ セリフを考えてやり取りする遊びでは、語彙力や対話力が求められるため、言葉の発達に遅れがあると難しさを感じます。


(4)ストーリーの展開が思いつかない

→ 「次に何が起きるか」「どう展開するか」を考えることが難しいと、途中で飽きたり混乱することがあります。


第4章 家庭でできる「ごっこ遊び」支援のヒント

(1)まずは「模倣(まねっこ)」から始めよう

いきなり「○○ごっこをしよう!」と言っても、ハードルが高い子にはまず**「やって見せる」ことからスタート**しましょう。

✅ 例:

  • お人形を持って、「おはよう」「ごはんどうぞ」など簡単なやりとりを見せる
  • 保護者が先生役になって、子どもが真似する遊びをしてみる
  • 「ぬいぐるみのお医者さん」など実生活に近いテーマから始める

(2)“身近な体験”をテーマにすると取り組みやすい

「病院ごっこ」「スーパーごっこ」「バスごっこ」など、日常で体験したことを遊びに取り入れると、想像しやすくなります。


(3)道具や小物で想像をサポート

  • 空のペットボトルをジュースに
  • ダンボールをお店に
  • おしぼりを赤ちゃんに見立ててお世話

視覚的な手がかりがあると、イメージが広がりやすくなります。


(4)役割分担は「好きな役」からでOK

いろんな役割をこなすのが難しい子は、まず**「本人がなりたい役」だけでもOK**。
苦手な役は大人が担うことで、遊びの世界が保たれます。


(5)無理に“会話のやり取り”を求めなくていい

ごっこ遊びだからといって、必ずしもスムーズな会話を求める必要はありません。

  • 動作だけのやりとり
  • セリフは大人が代弁する
  • 声に出さずにイメージだけ共有する

→ 子どもが安心して参加できる形で“世界観に入れること”が大切です。


第5章 支援が必要なケースとは?

以下のような様子が継続して見られる場合は、専門的な視点からの支援が役立ちます。

  • 他の子と遊ぶことを極端に嫌がる・避ける
  • ごっこ遊びだけでなく、見立て遊び自体に全く関心がない
  • 相手とのやりとりを成立させるのが極端に困難
  • ASDや発達性言語障害、知的発達の遅れが疑われる場合

→ 児童発達支援や療育センターなどで、個別性に合った関わり方を学びながら支援することが可能です。


最後に:「ごっこ遊び」は、“社会性の種まき”

ごっこ遊びは、子どもが自分以外の誰かの立場に立ったり、想像の世界で自由に表現したりする練習の場です。

でもその力は、すべての子が同じ時期に、同じように育つわけではありません。

  • 「遊び方が違う」ことを責めず、
  • 「一緒に楽しむ」ことから始めて、
  • 「できた!」「わかった!」を積み重ねることで、少しずつ世界が広がっていきます。

大人が“正しい遊び方”にとらわれず、子どもなりの表現や関わりを受け止めることで、想像力と社会性の芽が、ゆっくりと伸びていきます。

焦らず、比べず、
その子だけの“ごっこ遊び”の物語を応援していきましょう。

療育コンサル 中山 のぞみ
D&I株式会社取締役兼療育センター長
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