「すぐ泣く・怒る…」——感情のコントロールが苦手な子の“心の中”をのぞいてみよう
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「すぐ泣く・怒る…」——感情のコントロールが苦手な子の“心の中”をのぞいてみよう

2025年7月24日 更新:2026年5月18日

こんにちは。
子どもが突然泣き出したり、怒ったりすると、日常の中で戸惑うことも多いですよね。

  • おもちゃを取られたら大声で怒る
  • 気に入らないことがあるとすぐ泣く
  • 思い通りにならないとパニックのように暴れる

こんな姿を見ると、「わがままなのかな?」「甘やかしすぎた?」と悩んでしまう保護者の方も少なくありません。

でも実は、子どもが感情をコントロールする力(情動調整力)は、生まれたときからあるものではなく、ゆっくりと育っていく力なのです。

今回は、「すぐ泣く・怒る」子どもの心の中を、専門的な視点からわかりやすく解き明かし、今日からできる関わり方をご紹介します。


第1章 「感情のコントロール」はどう発達するのか?

感情のコントロールとは、「感じた気持ちを適切に表現したり、調整したりする力」です。
これには次のようなスキルが関係しています。

✅ 情動調整に関係する発達スキル

  • 気持ちを自覚する力(情動認知)
  • 気持ちを言葉で表現する力(言語能力)
  • 気持ちを落ち着ける方法を知っていること(コーピングスキル)
  • 見通しを持つ力(予測・理解)
  • 感覚への過敏・鈍感さ(感覚処理の特性)

これらの力は、脳の発達とともに少しずつ育っていくもので、幼児期にはまだ未熟なのが当たり前ともいえます。


第2章 なぜ泣いたり怒ったりしてしまうのか?

(1)言葉で気持ちを表すのが難しい

→ 「悲しい」「悔しい」「困った」が言葉にできず、行動や涙、怒りで表現していることがあります。


(2)感覚の過敏さ・不快感に反応している

→ 服のタグがチクチクする音、周囲のざわめきなどに過敏で、本人も気づかぬうちにイライラしている場合があります。


(3)“予測できないこと”に対する不安

→ 急な変更・説明不足な状況に出くわすと、安心感を失いパニックになりやすくなります。


(4)「困っている」けど「どうしていいかわからない」

→ 実は、泣いたり怒ったりしている子ほど、“助けて”のサインを出していることも多いのです。


第3章 家庭でできる感情コントロール支援のヒント

(1)「泣いた・怒った」ではなく、“その前”を見つける

大事なのは、「泣いた・怒った」ことそのものより、なぜそうなったのかを一緒に振り返ることです。

✅ 対応例:

  • 「おもちゃを取られて悔しかったんだね」
  • 「遊びたかったのに、おしまいになってイヤだったんだよね」

→ 子どもの“気持ちに名前をつける”ことで、自分の感情を整理する練習になります。


(2)“落ち着く方法”を一緒に見つける

泣いたり怒ったりしたあと、「落ち着くスイッチ」を用意しておくことはとても有効です。

✅ 例:

  • 静かな場所に行く
  • 深呼吸する・氷や水に触れる
  • 好きなぬいぐるみをぎゅっと抱く
  • お気に入りの絵本や音楽を使う

“気持ちが落ち着く体験”を重ねることで、だんだんと自分で調整できるようになります。


(3)「言葉で伝える練習」を遊びの中で

普段から、「ことばで気持ちを伝える」体験を増やしていくことで、爆発する前に言える力が育ちます。

✅ 例:

  • 「困ったときは“たすけて”って言ってみよう」
  • 「やめてほしいときは“やめて”でいいよ」
  • 「イヤな気持ちは“いやだ”って言ってOK」

→ 絵カードやロールプレイなども活用しながら、「気持ちは伝えていい」経験を積みましょう。


(4)気持ちの起伏を「絵」で見える化する

感情を「見える化」することは、子どもにとって非常に助けになります。

✅ 例:

  • 「いまの気持ちはどの顔かな?」(表情カードなど)
  • 感情温度計(0〜10で今の怒り度を一緒に測る)

→ 「気持ちって波があるんだ」と体感できることで、“怒り=一生続く”ではないと理解できるようになります。


第4章 専門的な支援が必要なケース

以下のような様子が続く場合には、専門家と一緒に対応を考えることも大切です。

  • 毎日のように癇癪(かんしゃく)や大泣きがある
  • 自傷や他害につながる強い感情表出がある
  • 感情のコントロールが年齢に比べて著しく未熟
  • ASD・ADHDなどの発達特性が疑われる

→ 療育センター、児童発達支援などの支援を通して、子どもに合った調整法・支援方法を見つけることができます。


最後に:「すぐ泣く・怒る」は、“成長のサイン”かもしれない

泣いたり怒ったりする子どもを見ると、つい大人は「困った」「わがまま」と感じてしまいがちです。

でも、それは**「自分の気持ちがある」「その気持ちを出していいと思っている」ことの表れ**でもあるのです。

  • 感情を出せるのは、「安心できる場所」にいる証拠
  • うまく言えなくて、怒りや涙で伝えているだけかもしれない
  • 小さな“気持ちの表現”を大切にすることで、だんだんと伝え方が育っていく

大人にできるのは、「わかってるよ」「困ってるんだね」と気持ちを受け止めること
その繰り返しが、やがて「泣かなくても、怒らなくても伝えられる力」につながっていきます。

子どもの気持ちは“育つもの”。
焦らず、少しずつ、一緒に育てていきましょう。

療育コンサル 中山 のぞみ
D&I株式会社取締役兼療育センター長
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