「食べない」「偏ってる」——小食・偏食の子どもに寄り添うヒント
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「食べない」「偏ってる」——小食・偏食の子どもに寄り添うヒント

2025年7月15日 更新:2026年5月18日

こんにちは。
食事の時間が、毎日の悩みの種になっていませんか?

  • 「食べられるものが少なすぎて心配」
  • 「いつまでたっても全然食べない」
  • 「好きなものしか食べずに、ごはんに向き合わない」

そんな小食・偏食の悩みを抱えている保護者の方、とても多いです。
食べてほしい、栄養が心配、でも無理強いはしたくない——その葛藤の中で、毎日食卓に向かっているのではないでしょうか。

今回は、子どもの「食べない」背景にある感覚や発達の視点をもとに、家庭でできるやさしい支援のコツをお伝えします。


第1章 そもそも「食べない・偏る」はよくある発達課題

乳幼児期は、「食のこだわり」や「食べムラ」が出やすい時期です。
なかには、年齢のわりに食べる量が極端に少なかったり、白いごはんしか食べなかったり、毎回同じメニューしか受け入れなかったりする子もいます。

✅ こんな行動ありませんか?

  • 一口食べるだけで口を拭いてしまう
  • 匂いをかぐだけで「イヤ」と言う
  • 食べ物をじっと見つめて手を出さない
  • 見た目が変わると食べない(形・色など)
  • 同じ器・位置・順番でないとパニックになる

これらの行動は、単なる「わがまま」ではなく、感覚処理や発達の未熟さが影響していることもあります。


第2章 “食べない”背景にある3つの視点

(1)感覚過敏・感覚防衛

・口の中のザラザラ・ネバネバ・熱さに敏感
・咀嚼(そしゃく)の力加減が苦手
・飲み込む動きが怖い、苦手

感覚統合の視点では、「味覚・嗅覚・触覚」などの過敏さからくる「食への防衛反応」とも言われています。


(2)視覚・認知のこだわり

・食べ物の見た目に敏感(色・形・大きさ)
・「この形でないとダメ」というこだわり

→ ASD(自閉スペクトラム症)の特性の一つとして、“見た目”へのこだわりが強く出ることがあります。


(3)不安や経験不足からの回避

・「これは食べたら変な味がするかも」という予想不安
・“初めての食べ物”に対して強い拒否感

→ 発達特性に限らず、初めてのものに不安を抱きやすい子には「見たことない=怖い」と感じやすい傾向があります。


第3章 “無理に食べさせる”より、“食の経験を広げる”

「何としてでも一口でも食べてほしい!」と思ってしまうのは親心ですが、無理に口に運ばせると、かえって“食べる=嫌な体験”になってしまうことも。

だからこそ、**“食べることそのものを楽しい体験にする”**ことが大切です。

✅ できることから始めよう

  • お皿にのせるだけでもOK
  • 匂いをかぐ・指で触るだけでもOK
  • 「これは〇〇くんの食べられる形かな?」と本人と話す
  • 食べなくても、**“一緒に食卓に座る”**だけでも一歩!

“食べないけど、食卓にいる”だけでも、子どもにとっては「食に近づいている」貴重な時間です。


第4章 偏食・小食の子に向けた関わりのポイント7つ

  1. 「食べたことがあるもの」から広げる
     → たとえば、白いごはん→おにぎり→海苔つき、のように少しずつ変化をつける
  2. スモールステップで“できた”を積み重ねる
     → 見る → 触る → 匂いをかぐ → 舐める → 噛む、という順で段階的に進める
  3. 食材の“変化”を見せる(調理体験)
     → 「これが焼いたらこうなるんだ」と、未知の食材に興味を持ちやすくなる
  4. 苦手なものは“端っこ”に置く
     → 目の前にドンとあると拒否反応が出る。視界の端にあるくらいがちょうどいい。
  5. お皿や盛り付けを子どもに決めさせる
     → “自分で選ぶ”ことで主体性が生まれ、気持ちが前向きになる
  6. 遊びや絵本とのコラボレーション
     → 食べものが出てくる絵本を読んでから、実物を出すなど
  7. 家族と同じ空間で“食べるふり”でもOK
     → 食べられなくても、「家族と同じ場にいる安心感」が積み重なっていきます

第5章 食べないことを「責めない・比べない」

「隣の子はもう全部食べてるのに…」
「弟はちゃんと食べるのに、この子は…」

そんなふうに比べたくなる気持ちは自然ですが、子どもの“食のペース”は本当に個人差が大きいのです。

そして、「食べられない自分」を責められることで、さらに緊張や不安が高まり、“食べたくない”気持ちが強くなってしまうことも。

その子の「安心できる食の形」を見つけることが最優先。
それが、いつか「食べてみようかな」に変わる日につながっていきます。


第6章 こんなときは相談も検討を

以下のような場合は、専門機関への相談をおすすめします。

  • 体重・身長の増加が止まっている
  • 食べる量が極端に少なく、水分も制限してしまう
  • 食べることへの強い不安や恐怖がある
  • 食べ物の種類が3品以内など、極端に偏っている

児童発達支援センター、小児科、栄養士、言語聴覚士(ST)などの連携によって、“食べる力”を育てる支援が可能になります。


最後に:「“食べる”は、発達と心の安心のあらわれ」

子どもの「食べない」「偏る」行動の奥には、未発達な感覚や経験の少なさ、不安、自己防衛などが潜んでいることがあります。

大切なのは、「どうやったら一口食べさせられるか」ではなく、
**「どうしたら食べることを“怖くない・楽しい”と思えるか」**という視点です。

親の焦る気持ちも、もちろん正直で大切な感情です。
でも、「きょうは匂いをかげたね」「きょうは座って一緒にいられたね」——そんな小さな一歩を一緒に喜びながら、食の世界を広げていきましょう。

療育コンサル 中山 のぞみ
D&I株式会社取締役兼療育センター長
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