「お風呂イヤ!」が止まらない——“お風呂が怖い”子どもの気持ちとその支援法
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「お風呂イヤ!」が止まらない——“お風呂が怖い”子どもの気持ちとその支援法

2025年7月5日 更新:2026年5月18日

こんにちは。
今日のテーマは、乳幼児期の子どもが「お風呂を嫌がる」「入りたがらない」とき、どう関わればよいか?についてです。

「お風呂の時間になると大泣きして暴れる」
「シャワーの音を怖がる」
「頭を洗わせてくれない、顔に水がかかるとパニック」

このようなお悩み、決して珍しいことではありません。
今回は、「お風呂イヤ!」の背景にある発達的な視点と、子どもに寄り添いながら少しずつ改善していく具体的な方法をご紹介します。


第1章 なぜお風呂を怖がるの?

まず最初に知っておきたいのは、「お風呂が嫌いな子=わがままな子」ではない、ということです。子どもがお風呂に抵抗を示す背景には、いくつかの“発達上の理由”が隠れています。

1. 感覚過敏がある場合

シャワーの音やお湯の温度、肌に触れる泡やタオルの感触が「痛い」「チクチクする」と感じてしまう感覚の特性をもつ子がいます。これは、発達特性のあるなしにかかわらず、多くの乳幼児で見られる傾向です。


2. 見通しが立たない不安

乳幼児にとって「これから何が起こるのか」がわからないことは、とても大きな不安要素です。お風呂の流れが毎回違ったり、予告なしで急に連れていかれたりすると、「怖い場所」として記憶に残ってしまうことも。


3. 身体スキルの未発達

シャワーを避ける動作や、目を閉じてシャンプーするといった行為には、実は多くの身体操作スキルが必要です。まだうまくバランスをとれない・動きがぎこちない子は、“お風呂=自分の思うように動けない場所”として苦手意識をもってしまうことがあります。


第2章 親がつらくなる“お風呂タイム”を乗り越えるには?

「毎日がバトル」「こっちが泣きたくなる…」
お風呂の時間が苦痛になってしまう保護者も多いと思います。以下のような工夫で、“無理なく、少しずつ慣れる”プロセスを作っていきましょう。


(1)事前に“お風呂に入る”ことを予告する

突然の「さぁ、お風呂行くよ!」ではなく、遊びの区切りをつけ、「あと5分でお風呂だよ」と見通しを持たせましょう。タイマーを使ったり、絵カードやスケジュールボードを活用するのもおすすめです。


(2)入る前の「準備ルーティン」を作る

「お風呂前に○○をする」というルーティンを固定すると、子どもは安心しやすくなります。たとえば、

  • お風呂の前に絵本を1冊読む
  • お気に入りの人形と一緒に脱衣所へ行く
  • 親子で“お風呂行くよダンス”をする など。

(3)お風呂での“嫌な感覚”を減らす工夫

  • シャワーの音が苦手 → 湯おけで静かに流す
  • 頭を洗うのが怖い → スポンジでやさしくぬらす
  • 顔に水がかかるのが苦手 → フェイスシールド型のお風呂用キャップを使う

「どこまでなら大丈夫か?」を探しながら、少しずつ刺激に慣れるようにします。


(4)“遊びの延長”としてのお風呂を演出

泡でアイスクリームごっこ、湯船でおもちゃ釣り、湯船の中で歌う時間など、楽しい経験を積み重ねることで、「お風呂=イヤな場所」から「ちょっと楽しめる場所」へと認識が変わります。


(5)入らない日があってもOKとする柔軟性

「今日は足だけ洗おうね」
「顔だけシャワーで流すだけにしよう」

“全部完璧にやらないといけない”という意識が強いと、子どもも保護者もつらくなります。お風呂も、他の発達課題と同じように「段階的な支援」が大切です。


第3章 こんな場合は専門的な支援を検討しよう

  • お風呂だけでなく、服の着替えや洗顔も極端に嫌がる
  • 水に触れること自体が極度の恐怖反応を引き起こす
  • お風呂でパニックを起こしてしまい、家庭で手に負えない

こうした場合は、感覚過敏や発達特性が強く関係している可能性もあります。
発達相談窓口・小児科などに相談し、感覚統合の視点や支援方法を一緒に考えてもらうことをおすすめします。


最後に:お風呂は“子どもの心と体に触れる場所”

お風呂の時間は、清潔を保つだけでなく、親子のスキンシップやリラックスの時間でもあります。
でも、それが“恐怖”になってしまうと、親も子もつらいだけの時間になってしまいますよね。

だからこそ、大切なのは「焦らないこと」「完璧を求めないこと」。
子どもが「自分で入ってみようかな」と思えるその日まで、ちょっとずつ“安心できるお風呂時間”をつくっていきましょう。


療育コンサル 中山 のぞみ
D&I株式会社取締役兼療育センター長
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