“すぐにあきらめる”子の心の背景:自己効力感と小さな成功体験の積み重ね
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“すぐにあきらめる”子の心の背景:自己効力感と小さな成功体験の積み重ね

2025年4月24日 更新:2026年5月18日

「どうせできないからやらない…」
「失敗がこわいから最初からやらない」
「ちょっと失敗しただけで『もうムリ!』と諦めてしまう」

そんな子どもの姿に戸惑ったことはありませんか?

いま、多くの子どもたちが「挑戦する力」や「困難に立ち向かう力」を十分に発揮できずにいる背景には、「非認知能力」と呼ばれる“見えない力”の育ち方が関係していることがあります。

今回は、「すぐにあきらめてしまう子どもたち」の内面にあるものを丁寧に紐解きながら、「自己効力感」や「GRIT」「レジリエンス」といった非認知能力を育むための、家庭や療育現場でできる関わり方について考えていきます。


非認知能力ってなに?

非認知能力とは、IQや学力といった数値で測れる力(認知能力)とは異なり、「心の力」「生きる力」ともいえる、目には見えにくい力のことです。

具体的には…

  • GRIT(やり抜く力)
  • レジリエンス(回復力・立ち直る力)
  • 自己効力感(自分にはできると信じる力)
  • 意欲・好奇心・協調性・感情コントロール など

これらの力は、学習面だけでなく、人間関係や将来の職業的自立にも大きく関わる重要な土台です。


「すぐにあきらめる」のは“意欲がない”のではない

大人はつい、「なんで頑張れないの?」「やる気がないの?」と思ってしまいがちですが、多くの子どもたちは“頑張りたい気持ちはあるけれど、うまくいかなかった経験”が積み重なっていることが多いのです。

  • 過去の失敗経験が心に残っている
  • 周りと比べて「自分はできない」と感じている
  • やっても褒められなかった・評価されなかった
  • 成功体験が少なく、自信を持てない

つまり、「すぐあきらめる」こと自体が、“子どもなりの防衛反応”である場合もあるのです。


自己効力感が非認知能力の鍵になる

「自己効力感(Self-efficacy)」とは、「自分はできそうだ」「やればなんとかなるかも」と感じる力のこと。

この自己効力感は、非認知能力を育むうえでの“土台”となる感覚です。
自己効力感が高い子どもほど、失敗しても「次こそ頑張ってみよう」「少しずつならできそう」と前向きに捉えることができます。

逆にこの感覚が低いと、「やる前からあきらめる」「できないことが怖い」「すぐに放棄する」といった行動に現れます。


GRIT・レジリエンスを育てるために大人ができること

① 小さな成功体験を積み重ねる
「今日は◯◯までできたね!」「昨日よりもスムーズだったね」など、達成できたプロセスに注目して伝えることで、「自分はできるかも」と感じる経験が増えます。

② 結果よりも“挑戦したこと”を認める
「やってみようと思ったことがすごいね」「挑戦してみたことがカッコよかったよ」など、行動自体を肯定する声かけが、安心感につながります。

③ 比べる相手は「他人」ではなく「昨日の自分」
「○○くんはできたのに…」ではなく、「昨日より◯◯が早くできたね」と、成長に目を向けることで、自信が育ちやすくなります。

④ 失敗しても大丈夫な空気をつくる
「失敗=悪いこと」と捉えさせない工夫が必要です。「うまくいかなくてもやり直せる」「先生も昔は苦手だったよ」といった共感の言葉も有効です。

⑤ 子どもの“がんばりすぎ”に気づく
非認知能力は「努力すれば伸びる」と誤解されがちですが、「休む力」や「助けを求める力」も立派なレジリエンスです。必要なときに休める環境もとても大切です。


療育現場での実践例

療育センターエコルドの現場では、非認知能力の土台を育てる取り組みが積極的に行われています。

  • 「できたね!」を実感できる個別支援
  • 成功体験が得られるスモールステップ課題
  • 見通しを持って取り組める構造化支援
  • 気持ちの表現やクールダウンの練習
  • 他者との関わりの中での自己理解支援

こうした関わりの中で、「私はできる」「またやってみたい」と思える感覚が少しずつ育まれていきます。


まとめ

“すぐにあきらめる”という行動の奥には、
「できなかった経験」「認められなかった思い」「自信のなさ」など、子どもなりの背景が隠れていることがあります。

だからこそ、私たち大人が意識したいのは…

☑「できた」を丁寧に積み重ねること
☑「失敗しても大丈夫だよ」と伝えられる関係性
☑「自分にもできるかもしれない」と感じられる環境づくり

非認知能力は、魔法のようにすぐに育つものではありません。
でも、“誰かに認められた体験”や“挑戦しても大丈夫だった経験”の積み重ねが、子どもたちの心の根っこを少しずつ強くしていくのです。


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大阪府池田市にある療育センターエコルドでは、乳幼児期を専門とする児童発達支援を中心に、集団活動や個別支援を通じて、専門性ある早期療育を提供しています。
また、送迎も施設から30分圏内を目安に実施しています。
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療育コンサル 中山 のぞみ
D&I株式会社取締役兼療育センター長
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