偏食がひどい。限定された食べ物しか食べない子、どう対応する?
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偏食がひどい。限定された食べ物しか食べない子、どう対応する?

2026年7月21日 更新:2026年7月21日

お子さまが特定の食べ物しか食べず、うどん、白米、フライドポテト、唐揚げなど、本当に限られた食べ物だけを食べ続けており、新しい食べ物を勧めても絶対に口に入れようとせず、栄養バランスが心配!このままで大丈夫なのか不安になっているというご相談をいただくことがあります。食べられる物が少ないために、外食の時も持参した食べ物を持って行かなければいけず、給食も食べられず、学校に弁当を持たせており、行事のときも大変で本当に毎日が大変だというご状況が続いているという保護者の方が、とても多くいらっしゃいます。

なぜそんなに食べ物にこだわるのか、新しい食べ物を食べてくれない理由が分からず、栄養不足で成長に支障が出るのではないか、小学校に入ってからどうなるのか、一生この偏食が続くのかという不安も大きいというお気持ち、本当によく分かります。

偏食がひどい、限定された食べ物しか食べないという状況は、発達障害のお子さまに非常に多く見られる困難ですが、適切な対応と段階的なアプローチによって少しずつ食べられる食材は増えていきますので、焦らずに進めていくことが大切です。

極度の偏食になる理由

感覚過敏

食べ物の食感、味、匂い、色など、様々な感覚刺激に対する過敏性があり、特定の食べ物の感覚は許容できても、新しい食べ物の感覚は脳が拒絶するため、口に入れることができません。

食感への強いこだわり

特定の食感、例えばクリーム状、カリカリ、ふんわりなど、好きな食感の食べ物だけを食べ、それ以外の食感は受け付けないというこだわりが強くあります。

匂いや味への敏感さ

食べ物の匂いに過敏に反応し、その匂いだけで食べようとせず、また味についても許容範囲が非常に狭く、少し違う味は絶対に受け付けません。

新しい物への拒否

自閉スペクトラム症の特性として新しい物を避ける傾向があり、見たことのない食べ物、食べたことのない食べ物への拒否が非常に強く、新しい食べ物を口に入れることが怖いのです。

過去の嫌な経験

食べ物でむせた、嘔吐した、嫌な味がしたなど、過去の嫌な経験がトラウマになっており、それ以来その食べ物を避け続けています。

こだわりの強さ

食べ物に対するこだわりが強く、この食べ物と決めたら、それ以外は絶対に食べようとしないという強固なこだわりがあります。

食べ物に対する不安

食べたことのない物は何が起こるか分からないという不安があり、その不安が新しい食べ物を避けさせ、既知の食べ物だけを食べ続けさせます。

栄養不足による影響

偏食によって栄養が偏っており、その栄養不足が脳に影響を与え、さらに新しい食べ物に対する恐怖が増すという悪循環が起きています。

家庭でできる偏食を改善する工夫

食べられる食べ物から始める

新しい食べ物を無理に食べさせるのではなく、今食べられる食べ物を調理方法を工夫して食べられるものを増やすことから始め、同じ材料でも形や調理法を変えると食べることもあります。

新しい食べ物を食卓に並べる

無理に食べさせるのではなく、新しい食べ物を食卓に並べて、見たり、匂いを嗅いだり、触ったりする慣れから始めることで、徐々に不安が減っていきます。

食べ物の匂いに慣れさせる

新しい食べ物を食べさせる前に、その匂いを何度も嗅がせることで、匂いに慣れると、食べることへの抵抗感が少し減ります。

小さい量から始める

新しい食べ物を食べさせる時は、ほんの一口、米粒のような量から始めることで、無理なく少しずつ食べられる量を増やしていきます。

好きな食べ物と一緒に出す

新しい食べ物を、必ず子どもが好きな食べ物と一緒に食卓に出すことで、好きな食べ物を食べる時に、新しい食べ物も視界に入り、慣れていきます。

一緒に食べる

保護者が美味しそうに新しい食べ物を食べる姿を見せることで、大人が食べて大丈夫なんだという安心感が生まれ、試してみようという気持ちが出ることもあります。

調理過程を見せる

新しい食べ物を調理する過程を見せることで、何から作られているのか理解でき、未知のものへの恐怖が少し減り、食べることへの抵抗感が軽減されます。

食べ物の栄養について説明する

新しい食べ物を食べるとどんな良いことがあるのか、説明することで、食べる動機づけが増え、試してみようという気になることもあります。

口腔感覚統合の活動を増やす

栄養価の高い食べ物を無理に食べさせるのではなく、口の中の感覚を育てる活動を増やすことで、様々な食感を経験させ、口腔感覚が広がると新しい食べ物も食べやすくなります。

偏食を叱らない

偏食を叱ったり、食べないことで怒ったりするのではなく、受け入れる態度を示すことで、食べ物に対する不安やストレスが減り、新しい食べ物に挑戦しやすくなります。

食べ物に関する絵本を読む

様々な食べ物が登場する絵本を読むことで、新しい食べ物への興味や理解が深まり、食べてみようという気になることもあります。

ソーシャルストーリーで教える

新しい食べ物について、新しい食べ物を食べると体が強くなりますというストーリーで、新しい食べ物に対するポジティブなイメージを作ります。

栄養をサプリメントで補う

新しい食べ物が食べられない間は、必要な栄養をサプリメントや栄養ドリンクで補い、栄養不足による悪影響を最小限にします。

食べた新しい食べ物を褒める

新しい食べ物を食べられたら、大いに褒めることで、新しい食べ物を食べることが良いことだと学習し、次に繋がります。

無理強いしない

新しい食べ物を食べてくれないことで、無理強いしたり、食べるまで食卓に出し続けたりするのではなく、食べたくなるまで待つ柔軟性も大切です。

食べ物を媒介にした遊びをする

食べ物で遊ぶことで、食べ物への感覚的な不安が少し減り、食べ物に対する親近感が増し、食べることへの抵抗感が軽減されることもあります。

医学的な評価を受ける

偏食が発達段階の問題なのか、摂食障害なのか、医学的な評価を受けることで、対応方法が明確になり、栄養不足の程度も把握できます。

学校や園と連携する

学校に持参弁当を持たせるだけでなく、学校でも少しずつ新しい食べ物を試せるよう、学校と相談して連携することで、学校でも新しい食べ物への挑戦ができます。

段階的な慣れ期間を設ける

特定の新しい食べ物に絞って、数ヶ月かけて慣れさせるという長期的なアプローチで、焦らずに進めることで、成功率が上がります。

ストレスの軽減

偏食そのものがストレスになっており、そのストレスで新しい食べ物への恐怖が増しているため、全般的なストレス軽減に取り組むことで、食べ物への不安も減ります。

専門家に相談するタイミング

栄養不足で成長に影響が出ている時

偏食により栄養不足が著しく、成長が遅れている、発達が遅滞している場合は、小児科医や栄養士に相談が必要です。

食べられる食べ物がほぼない時

うどん、白米など、本当に限られた食べ物しか食べられず、日常生活が困難になっている場合は、摂食障害の評価が必要です。

嘔吐や過度な反応が見られる時

新しい食べ物を見るだけで嘔吐したり、激しいパニックになったりする場合は、心理的なトラウマの可能性があり、心理士の支援が必要です。

親自身の不安が強い時

親が栄養不足や成長への不安を強く持ち、その不安がお子さまに伝わっている場合は、親のメンタルケアも含めた支援が必要です。

食べられる食べ物は増えていく

偏食がひどい、限定された食べ物しか食べないというお悩み、、、栄養が心配で、毎日どうしよう、、、外出時に大変だというお気持ち、よく分かります。

でも、知っておいていただきたいのは、食べられる食べ物は増えていくということです。今は限定された食べ物だけでも、適切な対応と長期的なアプローチによって、徐々に食べられる食べ物の種類は増えていきます。

大切なのは、食べられる食べ物から始めることで、新しい食べ物を食卓に並べることです。そして何より、小さい量から始めることで、食べた時を褒めることです。そして無理強いしないこと、栄養をサプリメントで補うことも大切です。

食べられる食べ物が増えると、外出が楽になり、給食が食べられるようになり、お弁当作りの負担が減り、栄養バランスが改善され、成長が促されます。

焦らないでください。少しずつ、食べられる食べ物を増やしていきましょう。今日は新しい食べ物を見られた、明日は匂いを嗅いだ、来週は小さい量を食べた。必ず進歩します。その可能性を信じて、今日から新しい食べ物への段階的なアプローチを始めてみましょう。

偏食は多くの発達障害児に見られる特性です。完全に改善することはないかもしれませんが、工夫と時間によって確実に改善していきます。お子さまの特性に寄り添い、温かく見守りながら、一緒に食べられる食べ物を増やしていきましょう。

療育コンサル 中山 のぞみ
D&I株式会社取締役兼療育センター長
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